キリンビール、カルビーも「副業人材」を募集。採用される3つの要点
企業や地方自治体で「副業人材」の採用が活発化し、多くのニュースでも取り上げられています。「副業」という言葉を耳にすることが増え、これを機に副業を始めてみたいと考えている人もいるのではないでしょうか。これまで副業をしてこなかったのに「コロナで収入が減った分を、副業で補いたい」と考えるケースも増えています。
実際、2月9日の「副業の日」に弊社(株式会社マーケティングフルサポート)で行ったアンケート調査(※有効回答数:211)でも、「副業を始めた理由」の第1位は、コロナ前から副業をしている人、コロナ後に副業を始めた人ともに「収入を増やすため」でした。
一方で、コロナ前に副業を始めた人の第2位は「やりたいことをやるため」だったのに対して、コロナ後に副業を始めた人は「本業の収入減」となりました。今回は注目が集まる「副業人材」について、企業や自治体から求められることや選ばれるコツを中心にご紹介します。
注目を集める「副業人材」
「副業人材」とは、企業などの組織に雇用されながら、他の組織で働くことが可能な人のことです。昨年から今年にかけて、渋谷区、神戸市役所、またカルビーやキリンビールなどの大手企業が、それぞれ専門性を持つ副業人材を募集し話題を集めています。
いくつか例を挙げますと、渋谷区はこの2月から人材マッチングSNSサービスを通じて、「スタートアップ支援事業のコミュニティマネージャー」「海外への日本発スタートアップ プロモート」などを担当する副業人材を募集していました。
また神戸市役所は、2020年9月に、広報に関する専門的なスキルや知識を持つ副業人材を40名募集すると公表して話題になりました。業務内容は、主にインスタグラムやLINEなどのSNS投稿の記事の作成や、写真の撮影などを出勤不要のリモートワークで委託するというものでした。
一般企業では、カルビー株式会社がオンラインショップの企画運営を行う副業人材を募集していたり、キリンホールディングス株式会社の新規事業開発部門のハイレベル人材を「副業兼業可」で公募するなど、副業人材の活用は、今や企業や自治体の人材確保のキーワードのひとつになっています。
「副業人材」を募集する背景
コロナ禍をきっかけに、ホワイトカラー層のリモートワークが当たり前になり、企業や自治体のDX化が急激に進んだこともこの流れを強力に後押ししています。企業や自治体としては、自社にないスキルや経験を持つ人の力を借りることで、今までにはないイノベーティブなアイディアや知見を自社サービスや商品に取り込みたい、という目的なのでしょう。
なかには「この報酬額で、こんなにハイスペックな人材が来てくれるのだろうか?」と思わず目を疑うような、応募者への要求事項の多い仕事も見受けられます。
本来ならもっと高額でコンサルティングファームなどにアウトソースしていただろう案件を、一旦はプロジェクトの形で副業人材にお任せしてみて、事業が軌道に乗ったらその人材の本採用も検討する、ということなのかもしれません。