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キリンビール、カルビーも「副業人材」を募集。採用される3つの要点

コラム

「副業人材」に求めることは?

 募集する側の企業、自治体が副業人材に求めることとして「社内(や自治体内)にはないスキルがあること」はもちろんですが、スキル以外の要素も多く含まれると私は思っています。実は弊社も、社員数名の中小企業ではありますが、副業人材を多数採用しています。具体的には、ライター、プロデューサー、カスタマーサポートスタッフ、セールススタッフなど毎年10人前後に、副業として弊社の運営する塾の業務の一部を委託しているのです。
 
 もともと弊社の塾の卒業生や、その知り合いの方を紹介いただいて人材を確保することも多いのですが、その際にもある程度の「副業人材の採用基準」を設けています。

 まずは、前述の通り「企業が必要とするスキルを有していること」。デザイナーさんであれば、これまでの製作物のポートフォリオを見せられること、などは当然です。この時に、できれば「数字で表せる」具体的な実績や経験があると良いと思います。

 例えば、「過去3年間にブログのバナーデザインX件受注」や、「ランディングページのデザイン提案で売上X%アップに貢献」など、客観的なデータがあると強い候補者となり得ます。そして、これはおそらく自治体や大手企業の採用担当者も私と同じ考えだと思うのですが、自社(や自治体)のミッション、ビジョンに賛同してくれる人であることです。

キリンビールの新しい酒類を開発するなら

キリンビール

Kirin, Asahi and Sapporo, 3 major beer brands in Japan © Hon Chung Ham/dreamstime

 例を挙げますと、「お酒が嫌い」という人がキリンビールの新しい酒類を開発することができるでしょうか? もちろん、スキルとしては可能かもしれませんが、やはり、その会社や団体と自分の方向性がある程度合致していないと、短期的にはどうにか対応できても、長期的にはツラくなってくると思います。応募者がその会社の商品やサービスを好きである、というのは重要な要素のひとつなのです

 さらに、副業人材募集の多くは出社を必要としないリモートワーク、短時間の契約のであるとは言っても、日々社内のプロジェクトは動いているので、メールやSNSなどで連絡がつきやすい人、というのは企業側からはありがたい存在です。メールやチャットの返事が即時できるか、状況の変化に対応してプラスアルファの成果が出せるかなども審査の対象となるでしょう。

 また、副業人材にお任せするのがこれまで社内に例のない新規事業であれば、想定外の事案も発生するでしょう。そんな時に依頼に対して時間的、物理的にフレキシブルに対応ができる人というのも、採用側から見れば大きなアドバンテージになり得ます。

 もちろん、もともとの契約を超える作業になる際には、事前に企業の担当者への相談や報告をすべきですが、柔軟な対応ができる人材というのはありがたいものです。これらに加えて、リモートワークが多い副業人材は、自己管理能力に優れていることも重要です。また、企業や自治体が組織内にないスキルや経験に根差した提案力も高く評価されます。

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