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武田薬品、アストラゼネカetc.コロナで激動の「医療業界」社員1万件の口コミを読み解く

ビジネス

医薬品・医療機器業界の比較結果

 ここで、まとめに入ります。口コミ数上位9社の比較結果を表にまとめました。「OpenWork」内の情報(残業時間・有休消化率)と、各社の有価証券報告書・決算短信・公式サイト掲載のデータ(収益・当期利益・平均年収・従業員数)を使って比較してみます。

医薬品

表:医薬品・医療機器業界上位9社の比較表(筆者作成)

 医薬品・医療機器業界の場合、外資系の企業であっても売上額・従業員数が掲載されており、比較しやすい状況でした。そして、記事中で比較した「法令順守意識」「20代成長環境」スコアの「順位」も掲載しています。ランクインしている企業・項目が多いところが特徴的です。

 各社の特徴をさらに把握するために、クチコミのうち、「企業分析[強み・弱み・展望]」カテゴリを中心に各社の花形事業など、各社の特徴・カラーがわかるクチコミを集めました。

武田薬品、J&J社員の口コミは?

武田薬品工業

武田薬品工業 Takeda logo sign the office building of Takeda Pharmaceutical Company Japanese multinational pharmaceutical and biopharmaceutical © Michael Vi

【武田薬品工業株式会社】
(管理部門、管理職、在籍3年未満、男性)
強み:メガファーマに比べると、意思決定や実行が早いと思う。成果が出なければ直ぐに軌道修正する。
弱み:自社創薬のハードルは高く、パイプラインを出し続けるため、バイオベンチャー買収、大学との共同研究等の継続など必要か。
事業展望:既存パイプラインはアナリストから充分評価されているとはいいがたい。希少疾患パイプラインの価値をわかりやすく伝えることと、ビジネスモデル確立が必須。

【日本イーライリリー株式会社】
(MR、チームリーダー、在籍10~15年、男性)
強み:自社開発品に関しては、開発医薬品が良くMRとしてもPRしやすい製品が多い。
弱み:サインバルタ、フォルテオの主力品のパテント切れ。
事業展望:2020年に初の早期退職を実施した。ずっと右肩上がりできたが、ここに来て成長が鈍化。ジャディアンスのパテント切れで間違いなく糖尿病領域の人数に調整が必要になってくる。

【ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社】
(メディカル、営業、在籍3年未満、男性)

強み:本社ではコロナのワクチンなど積極的な活動が見られるが、日本支社はいまいち。
弱み:ジョンソンブランドを主張している社員が多く、天狗になっているイメージ。顧客に言われたことがあり、将来的にふあんをおぼえる

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