バーガーキング、“笑える広告”の狙いとは。「価格ダジャレはスベった」
「ニクなし」ユニークな広告戦略を
バーガーキングというと、ユニークな広告で話題を生むことが多い。前述の「70年後には日本一の店舗数」をはじめ、マクドナルド秋葉原昭和通り店の閉店の際には、2軒隣りのバーガーキング秋葉原昭和通り店で一見、労をねぎらいつつも、縦読みをすると「私たちの勝チ」と読めるポスターを貼りだした。
「広告ではさまざまな仕掛けを用意しています。でも気づかれないものも結構あるんですよ」
最近の気づかれなかったものとしては、「THE FAKE BURGER(ザ・フェイク・バーガー)」の中に仕込んだ仕掛けがある。ザ・フェイク・バーガーは2020年10月23日から11月5日までに限定発売された商品で、名前の通り中身は“謎”とされていた。
「バーガーキングのハンバーガーは直火焼きのパティを使用することにこだわってます。それに反して、ザ・フェイク・バーガーは“イモ”を挟んで仕上げた商品だったのですが、作り手の私たちにとっても、その名の通り“フェイク”なバーガーでした。そのため、価格もお手頃な単品290円(“ニクなし”)とさせていただきました。全く価格のダジャレにはどなたも反応されませんでしたけどね(笑)」
一番参考にするのはツイッター
「常に笑いもの、変なやつらだなと思って欲しいという意図で広告を作っている面もあります」
野村さんは、バーガーキングのユニークな広告戦略についてこのように話す。またSNSや各種掲示板での反響を常にチェックしているという。
「ツイッターで一喜一憂する毎日です(笑)。他の媒体も見ますが、ツイッターで反響があると、即売り上げに反映されるのでわかりやすいです。『またバカなことやってる』みたいな反応でも、つい食べてみたくなる、お店に足を運びたくなるような広告を打ちたいですね」
もちろん、バーガーキングがこういった広告戦略を打ち出せる背景には、バーガーキングの商品への盤石な信頼が窺える。
「広告ではふざけていても、お店に来ると「本物」なんです。バーガーってそういうものじゃないですか。気軽さと楽しさを持って食べてほしい。でも、きちんと素材や味にこだわって、本格的なバーガーを食べた満足感をお客様に感じて頂きたいと思っております。それを提供することが、バーガーキングの使命だと感じております」