JTB、オリエンタルランドetc.コロナ不況の「旅行・レジャー業界」人気9社を分析
今後の苦しい展開が予想できる業界
タイプ3は「施設を自前で持っている」点で共通しています。施設は会員制宿泊施設(リゾートトラスト)・テーマパーク(オリエンタルランド)・結婚式会場(テイクアンドギヴ・ニーズ)と、多岐にわたっています。
その中でもオリエンタルランドは「ディズニーリゾート」を運営していることもあり、平均年収・利益額ともに業界トップクラスです。時価総額も日本国内上位20社の6兆円近く、超大手企業といえますが、2021年3月期上期(2020年4月~9月)の売上が前年度比「76.2%減」と大きな痛手をこうむっています。今後の客数回復・増加の見通しが立たない以上、こちらも内部の人が考えるよりは苦しい状況が続く可能性があります。
タイプ4のABC Cooking Studioについては、非上場ということもあり、得られる情報が限定的です。日経のニュースでも2020年2月以降は特に言及がなく、企業としての動きも抑えられていることがうかがえます。
タイプ1~4すべての企業において、今後の苦しい展開が予測できます。クチコミを多く集める有名企業でもこのような状況であるので、残念ながら「旅行・ホテル・旅館・レジャー業界」を積極的にお勧めするのは難しい状況です。
苦境にある業界に入るのはアリか?
すでに苦境に立たされた業界にいて、移動したいという状況の場合は、まず社内の希望退職募集情報などをしっかり情報収集し、メリット・デメリットを冷静に洗い出し、自分自身が取りうる選択肢を1つひとつ検討し、実行していきましょう。その会社を辞める場合も、先に転職先を確保することを優先してください。会社を辞めてからの職探しは足元を見られ、不利な条件になりやすいためです。
また、希望する業界が苦境にあるが「どうしても入りたい」という場合は、苦境期に新たに参入するのは難しいのでお勧めしません。人を増やすのに慎重になるので「目立った実績・学歴がある人」以外は参入が難しい状況になっているからです。
したがって、比較的参入障壁が低い近隣業界で働きつつ、数年後に希望の業界に入れるチャンスをうかがっていくべきでしょう。ただ、この方法ができるのは20代のうちに限定されますし、一定程度のバイタリティも必要です。よほどその業界に興味があり、好きでないと難しい方法です。本稿がご自身の希望業界分析の際に参考になれば幸いです。
<TEXT/アラートさん>