米Google社員も飲んでる「お~いお茶」、ギネス認定までの舞台裏
激化する「緑茶戦争」で独自の強み
ライフスタイルが多様化することでお茶の飲用シーンも広がるなか、お~いお茶は消費者の声に耳を傾けて商品開発を行い、バリエーションを増やしてきたのだろう。
現在ではペットボトル飲料、茶葉(リーフ)、ティーバッグ、インスタント(粉末)を含めると35種類ものラインアップが発売されている。一番の定番商品である「お~いお茶 緑茶」はその中でも全体の売上の6割を占めるそうだ。
ただ、冒頭に書いたように緑茶飲料市場は競争が激化する市場である。大手飲料メーカーがしのぎを削り、さまざまな新商品を市場に投下してくるわけだが、伊藤園はどのようにして差別化を図っているのだろうか。
安田氏は「お茶屋としてやってきたことで、他社には真似できないものを持っているのが強み」とし、次のように説明する。
「一番は茶畑から品質の高い原料茶葉を育てていること。伊藤園は40年以上にわたって全国の茶農家との契約栽培を実施し、全量買取を約束しています。そうすることで、茶農家は持続可能な運営ができますし、当社も常に品質が高い茶葉を安定的に確保することができる」
「お~いお茶」専用茶葉まで作る
「また、2001年からは茶畑そのものからつくる『茶産地育成事業(新産地事業)』を始めていて、伊藤園が培ってきた茶葉生産のノウハウを地元の生産者に提供し、茶農家の育成支援を行なっています。お茶のおいしさは茶葉が命であり、だからこそ、おいしさを追求した結果、お~いお茶専用茶葉までつくってしまいました。
それに加えて、茶葉の鮮度やブレンド、製法技術など独自の価値(バリュー)を創造してきたからこそ、ロングセラー商品としてお客様に支持され続けていると考えています」
また注目すべきは、他社と徹底的に違う点として「茶の取引を行う茶市場に入れる」ことだ。
他社の場合は茶市場からではなく、他のルートから茶葉を購入するのに対し、伊藤園は「お茶屋」であるがゆえ、茶市場での取引が認められており、茶市場で流通する求める高品質な茶葉を確保できることも差別化要因に繋がることだろう。