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難病を克服した31歳・元巨人プロ野球選手が決めた「3度目の新天地」

学び

新天地に選んだ「大手外資コンサル」

 さまざまなセカンドキャリアを模索するなかで柴田さんが選んだのは、世界120か国以上の企業を顧客とする大手外資コンサル・アクセンチュアの日本法人。「プロスポーツ選手の経験があるコンサルタントは少なく、経験を積み、力をつけることができれば、独自の地位が築けると考えました」と語る柴田さんだが、華麗な転身の背景には、さまざまな苦労があったという。

「これまでに生きてきた場所とは、まるで異なるカルチャーでしたね。体育会で培った礼儀が活きるのは入り口程度で、スキルや情報、顧客に提供できる質の高さで勝負する世界。まるで、『野球をやったことがない人がプロ野球の世界で結果を求められている感覚』でした。自分とはまったく違う道を歩んできた優秀な人たちと仕事をしなければならない状況に、『高望みしたかな?』と当初は正直思いました」

「最初は会議の内容を理解するだけでも大変だった」ともいうが、夢中になって働いたおかげで、およそ3年で10社の業務改革を経験、責任者としてチームリーダーを任されるまでになった。3年半後の2019年に、にNo border株式会社を設立。

プロ野球選手と経営者とは似ている

柴田章吾さん

1軍は未登板のまま現役を引退

 現在は代表取締役として、スポーツブランディング事業とコンサルティング事業を手掛けている柴田さんは、野球選手、サラリーマン、そして経営者として歩んだ道のりをこのように振り返る。

プロ野球選手とサラリーマンは属性が違うように感じますが、経営者とは近しい部分があると感じます。プロ野球選手時代は、自身で意思決定を行い、結果を出すことが評価、報酬に反映するという世界でした。その時の経験が、経営者として課題に直面した時に役立っています。

 野球でもビジネスの世界においても、成功を掴めている人には共通して、何かひとつマイルールやルーティーンがあったり、結果の有無に関わらず常に変化を求めてレベルアップを目指そうとする姿勢があるように思います

「ふと目の前に訪れたチャンスをモノにできるよう、常にアンテナを張って積極的に飛び込むようにしている」という柴田さん。ポジティブな言葉とともに幾多の試練を乗り越えてきた経験が、現在のキャリアを支えている。

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