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猛暑でイライラ倍増?不動産業界、真夏の迷惑な人エピソード

ビジネス

商業施設にやってきた夏の珍客対応

 夏の迷惑な人に対して、大人の対応を見せるのは大手不動産企業で働くデベ夫人@devemistress)です。

「入社してまだ間もないある夏、都心の商業施設の受付に年配女性がやってきて、『ここの土地は、戦後すぐに主人が勲章の替わりとして陛下から賜ったものだ。わたしも高齢だし、そろそろ相続の整理を始めたいので、いいかげん土地を返してほしい。今すぐ担当者を出せ!』といきなり叫びはじめました」

 受付嬢からの電話で事態を知ったデベ夫人は、上司とともに現場に駆けつけます。当然ながら土地の所有権は企業にあり、その女性の主張は荒唐無稽なものです。

「こういうクセの強い来訪者をいきなり追い返すのは逆効果です。詳細は社外秘ですが、こうしたケースは複数人で丁寧に対応するなどのマニュアルが存在します。今回も『なるほど、まずは詳しくお話をお聞きましょう』とICレコーダーを片手に忍ばせつつ近くの高い喫茶店へお連れしました」

喫茶店で行われた年配女性との会話は…

喫茶店

 場所を移動するのは、人目のつく場所での対応はテナント間で噂になりやすいため。これもマニュアルに沿った対応だといいます。

「涼しい喫茶店に着いたら、お好きな飲み物を注文していただいてとりあえず落ち着いてもらいます。何かあったときのため近くの別のテーブルに同僚も待機していて、私は上司と共に荒唐無稽なおとぎ話を3時間ぐらいフンフンとお聞きしました。ひとしきり話をしてアイスコーヒーもおかわりしたら、満足されたようで帰って行かれましたね。私の長いキャリアの中でも特に印象が強烈だった人なのでよく覚えてます」

 夏の迷惑な人には、熱くならず冷静に対処することが肝要なようです。

<TEXT/栗林篤 協力/全宅ツイ>

【まゆずみ君】
綺麗な心は「行い」と「謄本」からをモットーに活動しております(@NekoMur

【デベ夫人】
戦後〜高度経済成長期に建てられた古い旧耐震の建物を束ね、新しくキレイなビルに建替えてステキな東京の夜景を創出するお仕事をしてます(@devemistress

「全国宅地建物取引ツイッタラー協会(全宅ツイ)」は、数百億円の不動産を取引する不動産ファンドのAMrからルノアールにたむろする無免許ブローカーまでを会員に擁する、その保有資産、預り資産、グリップ資産の合計が2兆円を超える不動産Twitter最大の業界団体です
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