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吉村知事の発言はまずいが…「うがい薬」に期待できる“意外な効果”

暮らし

うがい薬の効果については期待も

 ただし、「まだ詳しい情報が出ていないので断言はできない」が、うがい薬の効果については期待も示す。

「うがい薬の種類にはイソジン(ポピドンヨード)、リステリン、ネオステリングリーンなどがあります。埼玉県歯科医師会が3月と4月に出した報告書では、イソジンとリステリンには、コロナを不活性化させる効果が期待できると推奨しています。イソジンはSARS、リステリンはインフルエンザウイルスというコロナと似た構造のウイルスに作用したのです」

 また、一部ではうがい薬が、肺炎などによるコロナ重症化を防ぐ効果もあるという声もある。

「人の細胞には、コロナが体内に侵入できるACE2受容体(angiotensin-converting enzyme Ⅱ)と呼ばれる“入り口”があります。舌にはACE2受容体がたくさんあるのですが、普段はタンパク質の保護膜で覆われています。しかし、歯周病菌が出すプロテアーゼという酵素がタンパク質を溶かし、ウイルス感染しやすくなる。うがいによって、口の中の歯周病菌を減らせば、感染防止に効果があるかもしれません」

口腔内の殺菌なら、リステリンが効果的

リステリン

リステリン

 また、人にはウイルスなどの外的要因から体を守る免疫機能がある。その調整役であるインターロイキン6が、コロナ患者は異常に上昇することがわかっている。

「インターロイキン6が上昇すると、免疫が暴走してしまい、体を守るどころか、自分の細胞を攻撃してしまいます。これをサイトカインストームと呼ぶのですが、歯周病菌はインターロイキン6の量を慢性的に増やすため、コロナにかかったときに重篤化しやすくなる恐れもあります」

 そもそもリステリンは、1879年から外科手術用の消毒液として使用されていた。口腔内の細菌にも効果があるとされて、口の中やのどの洗浄・消毒に用いる含嗽剤(がんそうざい)だ。

 宮本氏も「医師の間では、うがい薬のなかでリステリンがもっとも効果が高いとされていて、僕も使っている」と語る。

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