不登校からYouTuber事務所社長に。僕を救った「スヌーピーの教え」
SNS総登録者400万人を超えるインフルエンサー・ねおを筆頭に、チャンネル登録者数が100万人以上いる人気YouTuberを多数マネジメントするプロダクション、株式会社VAZ。同社の若きトップを務めるのは森泰輝社長(30歳)だ。
同プロダクションには、後発ながら人気を集めるYouTuberが多数在籍している。芸能タレントが参戦し、レッドオーシャン化するYouTube市場で、なぜ彼らはチャンネル登録者数を伸ばし続けられるのか。人気YouTuberに学ぶ「得意なことでポジショニングする」キャリア形成術について、話を聞いた。
人気YouTuber・ねおを生み出した仕掛け
――これまで数多くのタレントをプロデュースされた森さんから見て、人気になるタレントにはどのような共通点があるのでしょうか。
森泰輝(以下、森):「オリジナリティのあるポジションを確立している」ということです。動画の更新頻度やSNSを通じたファンとのコミュニケーションなど、本人の努力によって人気がついてくるのは言わずもがなですが、それも含めてポジショニングだと思っています。
たとえば、弊社所属のねお。彼女は中高生に絶大な人気を誇るSNS「MixChannel」から発信をスタートし、現在はYouTubeでの発信はもちろん、TwitterやInstagramなどあらゆるSNSを駆使しています。さらにはアーティストとしてもデビューするなど、活動域を絞らずあらゆるステージで活躍している。
――タレントには歌やダンス、もしくは演技で一点突破する人も少なくないなかで、ねおさんは活動域を限定しないのでしょうか。
森:それは、YouTubeという領域に絞って先行者がいるジャンルで無茶な勝負を仕掛けるのでは、“彼女らしさ”が伸びないと思ったからです。むしろ彼女が持つ「あらゆるSNSを横断してファンから支持される」という、強みを生かしたほうがいい。それが「最も活躍できるポジショニング」につながると感じました。
歌やダンスだけをしていても、それなりには有名になっていたと思います。でも、自分が最も活躍できるスタイル(=ポジショニング)を見出したからこそ、今では“SNS総フォロワー480万人超え”という爆発的な人気を誇っているんです。
YouTube市場は「社会の縮図」だ
――つまり、できないことに目を向けるのではなく、できることを最大限に活かすマネジメントが必要だと。
森:おっしゃる通りです。知名度があり、なおかつポテンシャルの高い芸能人がこぞってYouTubeチャンネルを開設している昨今、苦手の克服に時間を割いているようでは当然、芽が出ません。得意なことを武器に、才能が輝く場所で戦うことこそが、活躍するタレントの共通点なのです。
また、これは後発でも人気を獲得するYouTuberを見ていて気がついたことですが、万人に共通することだと思っています。レッドオーシャン化するYouTube市場は、つまるところ社会の縮図なんです。