裾上げは何とお願いすべき?失敗しないビジネススーツの選び方
リクルートスーツからビジネススーツに切り替えるタイミングが入社時、もしくは仮配属前だということは、前回の記事からご理解いただけたのではないでしょうか?
後編となる今回はビジネススーツを選ぶ具体的な着眼点を、服のコンサルタントである私がお伝えして参ります。
はじめての「ビジネススーツ」最適な色とは?
リクルートスーツは、ブラックが80%、ネイビー・グレーが20%と、圧倒的に黒無地が多いです。そんな新入社員が「2着目」に選ぶべきが「ネイビー」の「シャドーストライプ柄」です。
そもそもネイビーは、日本人の肌の色に映え、爽やかさ、知的さ、若々しさの印象を与えると言われています。だからこそ、ビジネススーツとしていちばんスタンダード、しかも、着回しが利く色です。
リクルートスーツがネイビー無地だったところに、いきなり色が異なる糸で織ったストライプ柄では印象が強すぎで、先輩たちに対して生意気に見えてしまうかもしれません。とはいえ、リクルートスーツのままでは半人前の印象に見えてしまうでしょう。
シャドーストライプ柄とは、糸の色はネイビー一色ですが、織り方を一部変えることで、光の反射としてストライプ柄に見えるというものです。
だからこそ、色はリクルートスーツと変わらないネイビーであっても、光の反射でうっすら分かる程度のストライス柄! これこそ、ビジネススーツ導入の最適解なのではないでしょうか。
値札で確認!?ビジネススーツの素材表示
そして、ビジネススーツの素材ですが、基本は「ウール」と「ポリエステル」素材です。ウールには「縮元」という性質があります。これは多少のシワであっても、ハンガーにかけておくことで元に戻るというものです。
だからこそ、ビジネスファッションでは革靴・ウールという天然素材が使われることが多く、また、「数日休ませると良い!」というのです。このやり方は、実はウールや革素材の「縮元」を活用するためのものだったのです。
一方、ポリエステルは混紡されることで強度が増します。ところが、ポリエステルには縮元性がないため、クッキリとついてしまったシワは戻りません。
「ウール100%を選ぶか?」「ポリステル混紡を選ぶか?」という選択は、その人の好みが分かれるところです。しかし世間一般では、ポリエステル混紡よりも天然性のウールのほうが、価値が高いと見られています。
ところが、ウールにポリエステル・ナイロンなど化学繊維を混紡したビジネススーツが増えてきました。
近年、技術の発展によって化学繊維を混ぜることで表現できる「織りの質感」が評価されるようになってきました。もはや、ポリエステルが必ずしも悪いとは言えない時代になってきたのです。