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ビックカメラを萌えキャラ化?人気SNSアカウント「ビッカメ娘」の誕生秘話

ビジネス

複数名で気長に運営すべし

momocoさん

各店舗ごとにそれぞれ多くのフォロワーを抱えている

――以上を踏まえたうえで、あらためて、SNS運用がうまくいっていない担当者へのアドバイスを教えてください。

momoco:SNSは、結果が見えてくるまで半年から1年以上かかるはずです。私も「ビッカメ娘」までに1年かかりました。だから気長に、粘り強く続けることで、ファンが獲得できるかもしれません。ハロウィーン、エイプリルフール、クリスマスみたいなイベントは、フォロワーを増やすチャンスです。ナイセンの場合にも、画像入りのツイートなどでフォロワーが増えたりしました。

 去年の素材を再利用することもありますが、それを初めて見てくれる人もいるので、ストックの有効活用になっていますね。あとは、SNSを「一人でやらない」ことですね。担当者が複数いることをアカウント上で明言してしまってもかまいません。SNS担当を複数人で担当することで、間違った方向に行きそうなときに修正したり、相談し合うことで負担を分散したりできます。「個人として」ではなく、あくまで「会社として」「事業として」SNSに取り組むことが、最大のポイントではないでしょうか。

 従来の広告の枠を飛び越え、対話型のメディアとして注目されているのがTwitterなどのSNSだ。そこでは彼女のような、「趣味を持つ若い世代」が活躍している。

 従業員の持っている“趣味力”を見逃さず、なおかつフットワークの軽い組織こそが、これからのSNS時代をリードしていくのかもしれない。

<取材・文/ジャンヤー宇都>

「平成時代の子ども文化」全般を愛するフリーライター。単著に『多摩あるある』と『オタサーの姫 〜オタク過密時代の植生学〜』(ともにTOブックス)ほか雑誌・MOOKなどに執筆

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