日本初の「事故物件マッチング」スタッフに聞く、孤独死現場のリアル
生活基盤の確保が社会に影響する
――住宅確保要配慮者の対応はこれからの日本に欠かせなくなるとか。
金:個人的には社会情勢的にも高齢者・外国人が賃貸物件を借りやすい環境を早く構築する必要があると思います。たとえば、日本の少子高齢化は世界トップクラスに進んでおり、労働力の確保が大きな課題となっています。
そこで増えて続けているのが、外国人労働者で2019年には過去最高の165万人に達しています。彼らの生活の基盤である住居が確保できなければ、企業や社会全体にも大きなマイナスの影響が生じてしまうと考えています。
顧:高齢者も同じです。入居が難しくなる70歳以上の高齢者の数は、2019年で過去最高の2700万人。全人口の20%以上を占めているので、今後、オーナーさんにとっても入居を断り続けることは難しくなるのではないかと思っています。
win-winを目指してチャンスに挑む
――一方で、ビジネスチャンスも感じられているとか。
顧:自治体による住宅確保要配慮者を支援する取り組みはすでにあります。ただ、民間では事業として行っている会社はほとんどありません。ビジネスという観点から言うとブルーオーシャンだと思います。
私たちは先駆者として「入居されない」事故物件と、「入居できない」住宅確保要配慮者をマッチングして、両者にメリットが生まれる仕組みをつくることで持続可能なサービスを提供したいと考えています。
ただマッチングするだけではなく、トラブルなどの入居者対応を代行・家賃保証・見守りサービスなど、リスクを軽減できるサービスも行います。どちらか一方の視点・要望だけでは、住宅確保要配慮者を巡る環境は大きく変えられません。だからこそ、事故物件を専門に扱い、外国人である私たちのような橋渡し役が重要になると思っています。