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コロナ明けの通勤電車で「メンタル不調になる人」3つの特徴

学び

マズロー「欲求の階層説」とは?

「そもそもなぜ自粛期間中にも関わらず歓楽街に繰り出してしまうのでしょうか。マズローは、人間誰しもが持っている“欲求”は5つの階層構造からなっていると考えました。

 まずは『生理的欲求:食事や睡眠など生きていくための欲求』から始まり、その欲求が満たされると次に『安全の欲求:安心・安全な暮らしや良好な健康状態の維持など』、それが満たされるとさらに上の欲求といった具合に、低次の欲求が満たされるにつれて、より高次元の欲求が徐々に表われます」

 今回のコロナ禍では、人や地域、時期によって第1段階「生理的欲求」、第2段階「安全の欲求」が脅かされていたといいます。

「3つ目からは、内なる心を満たそうとする欲求へと変わります。第3段階には、家族や会社などの集団に帰属したい、仲間が欲しいなどの『所属と愛の欲求』がきます。第4段階の『承認の欲求』は、他者または自分自身から認められたい、尊敬されたいという欲求です。そして第5段階は、自分の持つ可能性を最大限発揮し、あるべき自分になりたいという『自己実現の欲求』です」

自粛生活後は溜まった欲求が現れる可能性も

ビジネス 不満

 コロナ以前の世の中でも「いじめ」の問題は大きな社会問題でしたが、こうした問題は実はより高次元の欲求を満たしたいというところからきていたのです。ただ、アフターコロナの社会では、問題の表れ方や様相が違ってくると思われます。

「コロナ禍では、第1段階、第2段階の欲求が脅かされていたので、その部分を満たすことに必死でした。しかし、落ち着いた途端、第3段階、第4段階の欲求が出てくる人も多く見かけます。もちろん、これが正当な欲求であれば問題ありませんが、自粛警察であったり、ネットの誹謗中傷だったりが、そのような欲求の発現なのであれば、それは歪んだ欲求だと言えます。

 しかも、不便な生活を強いられ欲求不満が募っていた自粛生活の後では、より先鋭にその欲求が表れる可能性があります。

 私たちにできる対策としては、今の自分がどの段階にいるのかを意識してみたり、その欲求は歪んでいないか確認したりすることが挙げられます。自分の欲求を満たすことで他人を傷つけていないか、自分の成長(ここでいう第5の欲求)につながるものなのかで、その欲求が歪んでいないか精査すると良いでしょう」

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