コロナ自粛で精神が不調になる人が、ついやっているNG行動
不眠や頭痛、十二指腸潰瘍になる可能性も
交感神経が活発な状態が続くと、不眠や頭痛、胃痛、さらにはうつや十二指腸潰瘍など、心身に不調を引き起こすそうです。
「今回のように自宅待機やイベント自粛が続くと、強制的に行動の自由を制限されるがゆえに『拘禁反応』(感情が失われる、阻害されている気持ちになるなど)の状態に陥ることがあります。
拘禁反応は、心が脆弱(ぜいじゃく)な人だけが陥るものではなく、誰にでも起こりうる自然な心理反応です。しかし、この不安な状態に飲み込まれてしまうとネガティブな情報ばかりが目に入るようになります」
コロナ禍を精神的に乗り越えるコツ
外出自粛もテレビやSNS依存のような状態を引き起こす可能性があるそうです。最後に舟木さんにコロナ禍を精神的に乗り越えるためのアドバイスを聞きました。
「ニュースを観たり、SNSに関わる時間をきっちり決めること。情報源が定かでないものではなく、厚労省など信頼できるところから情報収集をすること。そもそも何を知りたいと思っているのか目的を持って情報収集することを勧めます。
また、家ごもり生活だからできることをピックアップしてみることも良いと思います。通信教育などの資格の勉強や読書、家の掃除、料理などです。また、こういうときだからこそ大切にしたい人間関係も見えてきたという声も聞こえます。家族や友人などと電話やネットで連絡を取り合いましょう」
不安な世の中だからこそ、無理にポジティブになるのではなく、ニュースを見る時間をきっちり決めるなど自らを律するようにしましょう。そうすることで不安を軽減し、皆でコロナ禍を乗り越えたいですね。
<取材・文/シルバー井荻>
【舟木彩乃】
ヒューマン・ケア科学博士・メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー企業)副社長。筑波大学大学院博士課程修了(ヒューマン・ケア科学博士)。カウンセラーとして8000人以上、100社を超える企業の相談に対応。公認心理師や精神保健福祉士など保有。著書に『「首尾一貫感覚」で心を強くする』(小学館)がある。現在、一般の方向けの心理カウンセリング受付中