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吉野家HD「国内事業」が抱える3つの課題。コロナの影響は軽微も…

ビジネス

新客層の開拓…国内事業の3つの課題

 吉野家HDは各種数値の把握からの状況把握もできており、国内事業の課題解決状況も順調であるようです(だからこそ、売上・利益額にも反映されていると言えます)。

1)コア層の来店頻度向上:
 月替わりキャンペーン商品の企画・実施

2)新客層の開拓:
 揚げ物(からあげ丼・アジフライなど)メニューの追加
 テイクアウト施策の拡大…女性顧客をターゲットに

3)既存店舗の改装:
 クッキング&コンフォート店舗(椅子などの居心地を良くした、黒い看板の吉野家店舗 )への転換

 特に、クッキング&コンフォート店舗は今までの吉野家のイメージと反して、くつろぎやすい印象の店舗だと感じました。新型コロナウイルス肺炎の蔓延に伴う外出自粛により、店舗型の飲食業界にとっては逆風の状況ですが、吉野家はもともとテイクアウトにも対応しているため、営業停止により売上を失うリスクも低いと考えられます。今後の事業進捗に期待をもてる内容だと感じました。

口コミサイトからみえる現場の声

吉野家

吉野家ホールディングス株式会社の口コミトップ(openworkより引用)

 さて、働く側としてはどうでしょうか。実際に働いた時の所感を把握するために、口コミサイトを確認していきましょう。

 各種口コミサイトは転職支援事業をビジネスにしており、各企業がクライアントにもなっている関係上、著しい悪評は公開されないようになっています。その制約を踏まえて、現場の声を確認していきます。

「吉野家」の場合、店舗を管理する社員と現場のアルバイトとで所感が分かれる可能性があるので、社員とアルバイトでそれぞれ分けて確認することにしました。まず、社員について確認します。

<社員>
良い点:
・残業時間がやや少ない
・平均年収は外食産業としては高め(707万円。※有価証券報告書より)
・(アルバイトを多く雇用するので)マネジメント能力が身に付きやすい

気になる点:
・縦割りで風通しが悪い
・ワンマン体質が残っている
・会議が多い
・年に2回の研修の実効性が不明瞭

 社員については、残業時間も少なく、平均年収も高い傾向にあり、条件が悪い点が特に見当たりませんでした。ただし、社風の合う・合わないがあるため、その点の事前確認は必要であると言えます。

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