吉野家HD「国内事業」が抱える3つの課題。コロナの影響は軽微も…
吉野家、海外事業における売上割合は?
そして、海外事業セグメント内での吉野家・はなまるうどんの影響についてですが、
・海外の吉野家店舗:953店舗(2020年3月時点)
・海外のはなまるうどん:32店舗(同上)
となっているため、はなまるうどんの海外事業における影響度合いは軽微と言えます。そのため、次に示す売上については便宜上「海外≒吉野家業態の海外での実績」として取り扱うことにしました。
グラフにすると明白になりますが、店舗数は海外が大きく伸ばしているものの、売上については引き続き日本国内が大半を占めていました。売上における海外の比率は徐々に高まっているものの、まだまだ課題はあると言えそうです。同様の形式で、利益額についてもグラフ化してみました。
「海外1000店体制の確立」が課題
このように整理すると、海外事業は「FY2014に黒字化を達成したものの、国内と同等の主力事業にはまだ育っていない」ことがうかがえます。
吉野家HDとしても「海外1000店体制の確立と収益性の改善」が課題と認識しており、本稿で示した点を課題として明確に認識していると言えそうです。また、同資料でも今後の対応方針がエリア別に分けられており、それぞれが店舗拡大のフェーズにあるか、収益改善のフェーズかも認識していることが伺えます。
=====
<店舗数拡大>
アメリカ:新規エリアでのドミナント化(集中出店)
台湾:台中・高雄エリアの出店拡大
<収益回復>
中国:全エリアでの出店から、濃淡をつけた出店への変更
ASEAN:直営エリア(シンガポール・マレーシア)の収益性向上
(※2020年2月期第2四半期決算説明会(2019/10/10開催)資料のp.32-33より筆者要約)
=====