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日本は服の自給率が低い。「国産アパレルブランド」が持つ危機感

ビジネス

若いうちに知っておくといいこと

ファクトリエ

“座る”を快適にするパンツ。1枚の生地が足を包み込むようにしてできているという(画像はファクトリエ公式サイトより)

――製品の品質にも伝え方にもこだわった結果、どんなお客さんを獲得していますか?

山田:うちのお客さんは、「何かにこだわりを持っている人」が多いです。それはうちのサービスが、生活により豊さを与えるためのものだから。その価値観を共有している人に響いているようで、客層は20代の学生から上は70代までと大変広いです。

 一方で、現在のアパレル業界のトップ5は全てファストファッションです。良いモノづくりをするブランドよりも、安価に大量生産されたファストファッションの方が人気を集めている現実があるのです。

 でも、そういった時流の中でも「こだわって作られたもの」や「ストーリーをもったもの」を身に付けたいと思う人がいる。僕は仕事を通してそんな人々を応援し、豊かな社会に貢献したいと思っています。

効率化の現代に「心の豊かさ」を伝えたい

――むやみに大量のお客さんを相手にするのではなく、嗜好の合ったお客さんの心を掴み、マッチング度を上げているのですね。最後に若手ビジネスマンに一言、お願いします!

山田:効率化重視の現代では、ファクトリエの取り組みは無駄ばかりに見えるかもしれません。でも僕は、心の豊かさという価値観を若いうちに知っておくといいと思います。それによって、画一で無味乾燥とした生活から、一歩違うところに行けると思うんです。

 暮らす場所も世代も違う人と話して、その人の思いや暮らしを知ると知見が広がります。若い人にはそんな体験を積んで欲しい。体験は自分の心を豊かにすること、自分への投資です。

 複合的な工夫で顧客満足度を高めているファクトリエには、ビジネスのヒントがたくさん。サービス内容と伝え方、どちらか一方だけを重視するのではなく、相互に高めることの重要性が伝わってきます。そして、その両方の根底の意あるのは、心の豊かさかもしれません。

<取材・文/阿形美子>

1994年生。大学卒業後、フリーの編集・ライターとして活動中。底抜けの飲んべえゆえ酒ネタが多いが、インタビューやモノ記事、カルチャーネタなどもカバーする。Twitter:@agata_yoshiko

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