肉ばかりでも健康に。医師が教える「簡単すぎる食事法」
お肉が大好きで、毎食のように食べてしまうけど、健康によくないのでは? そんな心配を抱えている20代のビジネスマンも意外と多いのではないでしょうか。一方で、「肉好き」の人には長寿の人が多いというデータもあるとか。
そこで、『不摂生でも病気にならない人の習慣』(小学館新書)の著者であり、長年、自律神経の研究に取り組む順天堂大学医学部教授・小林弘幸氏に、肉食と健康の関係性について解説してもらいます(以下、小林氏の寄稿)。
肉は“自律神経の原料”になる
自律神経の観点から言えば、肉食、大いに結構です。
私も肉が大好きで、ランチにひとりで、「いきなり!ステーキ」で500グラムのステーキを頬張る、なんてこともしてしまいます。肉がなぜいいのか。それは自律神経の原料が、タンパク質だからです。なかでも、肉や魚、卵などの動物性食品には、良質なタンパク質が豊富に含まれています。
大豆や小麦などにも、植物性タンパク質が多く含まれていますが、必須アミノ酸の種類、量などを比較すると、自律神経の原料としては、動物性タンパク質のほうがよりお勧めできるのです。
「肉好き」には長寿の人が多い
実際、ある調査では、総エネルギー量に占めるタンパク質由来エネルギー量の比率を、平均的日本人と100歳に達した人とで比較すると、100歳以上の人のほうが、タンパク質由来エネルギー量の比率が高いという結果も出ています(柴田博『肉を食べる人は長生きする』PHP研究所)。
漫画家のさいとう・たかをさんは、1968年に連載を開始して以来、『ゴルゴ13』を一度も休載したことがないそうですが、83歳の今でも第一線で活躍されています。そのさいとうさん、朝から肉を食べることが日課になっているそうです。瀬戸内寂聴さんも肉好きで有名ですよね。あなたの周囲にも、「肉好き」の元気な高齢者の方がいるのではないでしょうか。
これらのことは、動物性食品の良質なタンパク質が、自律神経の働きを高めていることのひとつの証拠ではないかと、私は考えています。