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“マスクで予防”は無意味?新型コロナ予防を在米ウイルス専門医に聞く

アメリカでは「銃弾」を買い占める人も

――峰さんがいるアメリカの状況はどうですか? 3月13日にはトランプ米大統領が「国家非常事態宣言」を発令しました。

峰:大騒ぎになっています。パニックはある意味では日本よりも目立っているかもしれません。当然、米CDCは以前より感染拡大を警戒していましたが、先週までは「対岸の火事」のような状況でもありました。

 しかし、突然アメリカに上陸し感染者も急速にひろがってきたため、現在は10人以上の集会を行わないよう呼びかけたり、多くの都市でレストランやスーパーマーケット、大学や学校の閉鎖がされたりしています。

 また、トイレットペーパーやマスクの買い占めも起きています。治安が悪くなることを懸念して「銃弾」を買い占める方もいます。きちんとした治療を受けられない貧困層を中心にパニックで治安が悪化するかもしれないという不安があるのでしょう。

――テレビ報道は日本と比較してどう感じますか?

峰:ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどは、マスクの使い方や基本的な感染防止対策を報じています。こういう基本的な情報を提供するのが好まれていますね。メディアで死亡者数などを大きく報じるものもありますが、基本的には専門家がしっかりとコメントしていると思います。

近くの公園を散歩してリフレッシュ

公園を歩くビジネスマンの後姿

――最後に、新型コロナについて気をつけておくべきことを教えて下さい。

峰:基本的には一人ひとりの予防意識が大事だと思いますが、私が最も心配しているのはメンタルケアです。自粛によって娯楽にも触れられず、日本では休校で家にいる子供の世話で手一杯という人も多いと思います。そんな状況だと、精神面の健康的にもよくありません。

 ネットやテレビなど危機を煽る報道を見すぎることはストレスもたまり、精神衛生上よくありません。マスクの使い方、手の洗い方といった必要な情報を、厚生省や学会など信頼できるところから得てください。

 あとは、家にこもりっきりになるのではなく、近くの公園などを散歩して気分転換し、リフレッシュするのもいいと思います。

<取材・文/詠シルバー祐真>

【峰 宗太郎(みね・そうたろう)】
米国国立研究機関博士研究員。医師(病理専門医)、薬剤師、博士(医学)。京都大学薬学部、名古屋大学医学部、東京大学医学系研究科卒。国立国際医療研究センター病院、国立感染症研究所等を経て、米国国立研究機関博士研究員。専門は病理学・ウイルス学・免疫学。ワクチンの情報、医療リテラシー、トンデモ医学等の問題をまとめている。ツイッター@minesohで情報発信中

株式会社扶桑社第二編集局SPA!Web編集部「bizSPA!フレッシュ」編集長、詠(ながみ)です。映画と音楽が好きです。

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