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“マスクで予防”は無意味?新型コロナ予防を在米ウイルス専門医に聞く

暮らし

我慢できるなら自宅で安静に

――せきや発熱の症状が出たら、どうしたらいいのでしょうか?

峰:この時期に風邪や熱の症状が出てコロナウイルス感染の可能性があるとおもったらまずは「帰国者・接触者相談センター」へ電話をしてください。

 市販の薬を飲んでも構いませんが、何の薬を飲んだのか記録しておきましょう。もしひどい息苦しさがあるなど緊急性があれば、躊躇せずに救急車を呼んでください。

 37.5度以上の発熱や咳、たんなどの症状が続く場合は、インフルエンザや風邪、あるいは新型コロナウイルスなどの疑いもあります。我慢できる程度であれば、自宅で4日間安静にしていてください。

 インフルエンザや風邪は症状のピークが3日目ごろになることが多いですが、新型コロナウイルスは症状が4日以上持続することが多いため、よりコロナウイルスらしいと考えることができます。

簡易版PCR検査に反対する理由

検査 医療

――ソフトバンクグループの孫正義会長が簡易版PCR検査を始めようとしたところ、峰先生はツイッターで反対していました。日本でも議論が分かれる問題ですが、どうお考えですか?

峰:反対したのは、簡易版PCR検査は、お金も人手もかかることなので、実施するなら明確な目的が必要だと考えるからです。

 たとえば癌の疑いがある患者がいて、検査をしてみて胃がんなら手術、陰性ならまた違った措置を取るとることができるように、検査によって結果が変わること、これは検査の目的として重要です。しかし、新型コロナウイルスは感染がわかったとしても、現時点では特異的な有効な治療法やワクチンがあるわけではありません。

 また、検査には偽陰性・偽陽性があり、その解釈を正しく伝えられないリスクもあります。陽性であった場合の医療機関への接続や、陰性であった場合の結果の解釈とその後の対応などにも注意が必要になりますね。

 単にみなさんが不安だからという理由で、希望者全員が簡易PCR検査ができると、陽性だった場合、その人たちをどう扱うかが問題になります。現時点では医療現場に丸投げするしかありませんし、そこで正規のPCR検査をもう一度しなければいけないことにもなるでしょう。

 それよりは、発症された方を確実に診断し、感染経路検索をしたほうが効率的に新型コロナウイルス感染者を見つけられると思います。そう考えると、希望者に簡易PCR検査を提供するよりは、RT-PCRによる正規の検査がもっと充実するお手伝いをしていただいたほういいかと思います

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