新型コロナで職場が崩壊。20代社員「中国の工場がストップしたせいで…」
世界的に感染が拡大する新型コロナウイルス。テレワークを導入する企業も多く、急な対応に混乱している人も多いといいます。
そんななか、「コロナの影響で激務になりました……」と肩を落とすのは、都内のインターネット関連会社に勤務する山中雅人さん(仮名・29歳)。会社では製品のクレーム対応からサーバー管理まで行い、チームリーダーを務める山中さん。激務の理由を聞いてみました。
中国の工場がストップ。クレームに悲鳴
「うちは大手メーカーのいわゆる下請け会社で、パソコンやスマホなど、製品のクレームなどを電話対応しているんです。下請けなので一般向けのサイトや電話番号は公表していなくて、すべて電話で対応しないといけないんですよ」
新型コロナが流行して忙しくなった要因は「中国の工場が一時停止してしまったこと」だといいます。実際、大手住設メーカーTOTOは中国の工場が生産中止になったことを受け、ウォシュレットなど一部製品の納期が遅れていると発表しています。
また、パナソニックも、ビジネス向けのノートパソコンや電動アシスト自転車の生産を一時ストップ。「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングも中国の工場の生産、物流の遅れから2月に予定されていた新商品の発表を延期しました。
「『製品が壊れた』というクレームが来てもすぐに修理に出せないんですよ。基本的に電話対応は派遣社員が行うのですが、『こんな状況ですので……』と説明しても『責任者を出せ』とキレる顧客もいます」
部下のメンタルまで崩れ始める…
「特に今はリモートワークや在宅勤務になっている企業が多いので、パソコンやスマホが使えなくて困るのは分かるんですが、工場が稼働していないので待ってもらうしかありません。電話を取り次ぐことは社内規定に反するので、派遣社員に対応を指導するだけで時間を取られます」
中国の工場が一時停止してからは、クレーム対応に追われるだけで以前の2~3倍の時間を使うようになったという山中さん。さらに、それが原因で残業が増えたことも悩みの種だといいます。
「以前は9時出社、18時退社だったのですが、今は帰りが21時近くになることもしょっちゅうです。残業代は出るのでまだ良いのですが、それでも連日だとキツイですね。さらに、こんな状況なので派遣社員や部下にも相当ストレスがかかっているようで『辞めたい』という社員も増えてます。今年に入って10人近くも退社したんですよ」