新型コロナでリモートワーク推奨でも、出社し続ける人の言い分
満員電車でも問題ない…!?
上司から「Aさんをなるべく出社させないで」と言われた倉本さんは、出社を続ける彼に探りを入れてみます。
「仕事の話の流れからチャットでさりげなく出社を続ける理由を聞いてみたんです。でも彼の返答にさらに頭を抱えました……。『マスクで完全防備してるから、満員電車でも問題ない』、『ヤバくなったらリモートワークします』。これはもしかすると、新型肺炎に関する情報が正しく伝わっていないのかもしれないと思うようになりました」
厚生労働省のHPには「換気が悪く、人が密集する空間は避けるように」と記載されています。満員電車や職場のオフィスもその例外ではないでしょう。
「新型肺炎はマスクで完全に防ぐことはできないし、発症してからでは遅いですよね。症状がない人も他の人に感染させる可能性があるようですし、PCR検査を受けてない潜在的な感染者は数多くいると言われています。つまり、満員電車に乗って出社するのは感染リスクがあるのは明らか。だから、多くの企業で出社を制限する対策が取られているのに……」
彼が出社を続ける本当の理由
Aさんに対して倉本さんはもう一歩踏み込んで話をします。
「相手を責める言い方にならないよう気をつけながら、エビデンスの確かな情報を彼に伝えてみました。すると、本人なりに感染リスクは認識していながらも、申し訳なさそうに『職場の方が集中できるから』という本当の理由を語ってくれました」
真相が分かったので一安心した倉本さんですが、その後の対応に悩みます。
「私からすると感染が拡がっているのに頑なに出社を続けるのが不思議で仕方ありません。出社がやむを得ない職業の人も多い中、エンジニアである彼は家でも仕事ができる境遇にいるのに……」
日本だけでなく世界中で続々と感染者が増加する中、彼は「3月に入っても出社を続ける」と言います。