新型コロナで「二極化する就活」。泣く学生、笑う学生とは
「早く取り組んでよかった」との声も
一方で、早くから就活をしていた中央大学3年生の高橋加奈子さん(仮名・21歳)は、今回のコロナショックは自分に有利に働いていると考えていると言います。
「就活に対して意識の高い環境にいたので、友人に引っ張られる形で‘19年の春から取り組んでいました。もちろん夏のインターンにも複数参加していて、年内には外資系の企業から内々定をいただきました。
新型コロナウイルスの影響で、直近の採用イベントが中止になっているせいか、インターンに参加した国内企業から懇親会の案内が来ています。囲い込みを受けているような気がして、企業も焦っているんだなぁと思います(笑)。
私は早くから就活に取り組んでいたのでほかの人よりも面接慣れしているので、ラッキーだと感じています」
明暗を分けるのは、就活を始めた時期か
どうやら早期から就活に取り組んできた学生には、かえって新型コロナウイルスが有利に働いているようです。
近年、サマーインターンなど企業が早期に学生を獲得する動きが増えています。3月1日がいわゆる就活解禁(採用情報公開、エントリー受付)とはいえ、その3月1日時点で15.9%が内定を得ているという調査もあります(株式会社ディスコ、キャリタス就活 2021 学生モニター1,393人への調査)。
今回の新型コロナウィルスは、3月1日解禁の「よーいドン」で始まる就活戦線に乗っている人を直撃しましたが、それ以前に内定をもらっている人にはあまり影響がないようです。
もっとも、感染拡大で大打撃を受ける業界、内定取り消しをする企業も出てきているなか、学生は今より一層、主体性をもって会社を選ばなければいけないのかもしれません。
― 特集 新型コロナ・若者の憂鬱 ―
<取材・文/けんぢる>
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