職場の「リモートワーク指令」を無視して出勤したら…懲戒処分になる?
どのような面接を行うのかは、会社側が決められる
学生の就活にも影響が出てきているようです。仮にマスクの着用が義務付けられている企業で面接しなければならない場合、マスクがない学生は面接を受けることができなくなるのでしょうか?
「可能性としてはあると思います。会社も、法人たる一個人であり、採用には自由があります。どのような方法で面接を行うのかも、会社側が自由に決められます。
とはいえ、採用する側の自由も無制限ではなく、例えば男女差別や障害者差別など、社会的に見て『公序良俗に反する』場合には、会社の採用の自由は制限されます。
面接の実施方法についても同様と考えられ、その面接の方法があまりにも社会的に問題があるような場合は、面接方法の自由も制限されるといえます」
マスクの着用義務は正当なもの?
「ただ、どうしてもマスクを入手できないという社会的な事情があれば『マスク着用必須』という面接方法は不合理とも考えられ、労基署などを通じて会社に対し、マスクなしで面接を受けさせるように働きかけることはできるかもしれません。
しかし、会社にとって『コロナウイルスの感染防止』という目的がある以上、学生に対するマスクの着用義務は正当なものと考えられます。
また、マスクが品薄状態にあるとはいえ、入荷して販売している店も少なからずあることを踏まえると、必ずしも社会的に公序良俗に反するような面接方法とまでは言えないと考えられます」
新型コロナウイルスは、私たちの生活を一変させました。会社指令によるリモートワーク、学校の一斉休校など、多くの人がイレギュラーな状況に置かれており、精神的にも負担を感じ始めているでしょう。この混乱が早く収束することを切に願います。
<TEXT/林加奈>