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上司に「どうしたらいいですか?」と聞く部下がダメな理由

学び

質問スキル① 他者視点

 では、その質問スキルとは一体何でしょうか。ぼくは「他者視点」と「自己提案」の2つだと考えています。

 他者視点とは、「相手の気持ちになって考えてみること」です。例えばエクセルを作っていて何かしらエラーが出たとしましょう。そのときに他者視点がないと、「エラーが出ました。どうすればいいでしょうか」みたいな聞き方になってしまいます。これを聞かれた人はどう思うか? という想像力が足りていないのです。

・そもそも作業の目的は何か?

・具体的にどんな数字をどんな数式で分析しようとしていたのか?

・エラー内容はどのようなものか? すでによくある事例は分析したのか?

 このような内容なしに、いきなり「どうすればいいでしょうか」と言われても、エスパーでない限り答えようがありません。「作業目的」「具体的にやったこと」「結果」を明確に共有してあげれば、聞かれたほうもスムーズに答えることができます。

質問スキル② 自己提案

上司

 もうひとつの自己提案とは、「自分はこうしたらいいと思います」という提案をすることです。これがない場合、最後の一言は「どうしたらいいですか?」になります。

 もちろん、自身で考え抜いたり調べぬいたりしても何もわからない場合は、「どうしたらいいでしょうか?」と聞くしかありません。しかし、大体の場合は「自分で調べる」「調べたことをベースに考えてみる」というプロセスがすっぽり抜けているだけなのです。

「他者視点」「自己提案」が息をするようにできるようになれば、質問された相手も気持ちよく答えてくれますし、ひとつひとつの情報も有益なものとなります。それにより仕事もうまく進むようになってあなたの評価も高まり、さらに質問しやすい環境を作ることができるでしょう。

 あなたもぜひ「質問スキル」を鍛えて、働きやすい環境を作ってみてくださいね。

連載・現役コンサルタントのシンプル仕事術

<TEXT/Shin>

某外資系コンサルティングファームで戦略コンサルタントとして勤務したのち、現在は某外資系企業で業務改善や戦略策定等の業務に従事。ビジネス書作家。ブログ「Outward Matrix」、オンラインコミュニティ「Players」を運営。無料メールマガジンも好評配信中

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