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世界7か国の指導者、支持率を比較。安倍晋三とトランプ、人気なのは?

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■No.4: 安倍晋三首相、支持率も下げ止まり?

安倍晋三

安倍晋三 photo by Dick Thomas Johnson

 それでは、日本の安倍晋三首相はどうでしょう。

 共同通信が5月12、13日に実施した調査によると、内閣支持率は38.9%で、前回4月14、15日の調査から1.9ポイント増えました。一方の不支持は50.3%と、いまだに高い水準にあります。

 森友・加計問題を筆頭に、財務省のセクハラ問題、防衛省の日報問題など、不祥事を挙げればキリがない安倍内閣ですが、財務省による文書改ざんが明らかになったのが今年3月。以来、安倍内閣の支持率は30%台まで急落しました。

 しかし、最近は少しずつ持ち直しています。どの問題もまったく解決していないように見ますが、支持率は徐々に回復していて、難局を切り抜けたかのように見えます。

『サンデー毎日』の調査では、内閣不支持率は50.3%と高く、柳瀬唯夫元首相秘書官の説明に「納得できない」が75.5%と出ています。そんな安倍首相ですが、今後、国政をどう導くのでしょうか。

■No.5: テリーザ・メイ(英首相)支持を得られない理由

テリーザ・メイ

テリーザ・メイ photo by Palinchak

 イギリスのテリーザ・メイ首相の支持率は他国に比べると、だいぶ低いです。

 大手調査会社「YouGov」が5月20、21日に行った調査によると、メイ首相を「もっともふさわしい首相」と評価するのは37%、最大野党・労働党のコービン首相の支持率は27%となっています(:参照:YouGov UK)。

 ただし、昨年4月の時点での支持率は両者ともに37%と拮抗していました。 移民問題や、EU離脱交渉など難しい局面にあるイギリス。メイ首相率いる保守党は、議会で過半数を得られておらず、他党の閣外協力を得ている状況です。

 先の「YouGov」の調査では、保守党の支持率が42%、労働党の支持率が38%となっており、世論が二分されている状況が伺えます。

 今後、国民的支持を得る指導者は現れるのでしょうか?

■No.6: プーチン(露大統領)圧倒的な支持率?

ウラジミール・プーチン

ウラジミール・プーチン photo by Kremlin.ru

 日本でのネット人気も高い、ウラジミール・プーチン大統領は、ロシア本国での人気も高いようです。

 ロシアの独立系世論調査機関レバダ・センターが実施した調査によると、ロシアのプーチン大統領の支持率は80%台と非常に高く、その強い指導力や、外交力の高さを背景に、5月の大統領選にも勝利し、現在四期目を務めています。

 2012年の前回選挙では、猛烈な「反プーチン」の逆風にさらされましたが、ソチオリンピックの成功やクリミア半島の併合など、「強いロシア」をアピールすることで、2014年には支持率70~80%をキープ。

 その勢いのまま今回の大統領選挙にも勝利したプーチン氏は、2024年までの6年間、最高権力者の座にとどまります。強力な影響力を持っているため、これらの調査はロシア政府の監監視下にあるため、素直に受け止めるのは危険かもしれません。

■No.7: 習近平(中国主席)永遠のリーダー?

習近平

習近平 photo by China State Visit CC BY 2.0

 最後は、中国のリーダー習近平国家主席です。

 中国共産党による「一党専制」が行われる中国には、そもそも支持率という概念自体が当てはまりません。中華人民共和国憲法に謳われた、共産党だけが政治執行政党という事実のみなので、言ってしまえば、支持率は“100%”なのです。

 そんな中国の憲法ですが、今年3月にある事件が起きました。これまで最長2期10年までと定められていた国家主席の任期制限を撤廃されたのです。

 これにより現在64歳の習近平氏が理論上、無制限に国家主席を務めることが可能になったのです。

 この改正案は「賛成2958票、反対2票、棄権3票、無効1票」という圧倒的支持のもと、中国の国会に相当する全国人民代表大会で可決されました。1970年代の毛沢東以来、圧倒的な力を持った中国の指導者が誕生したのです。

 しかし、直後の5月4日には、北京大学で壁新聞による痛烈な習氏批判が行われるなど、国民に批判的な感情がないわけではなさそうです。

 今や日本を追い抜き、GDP世界第2位の経済大国となった中国ですが、習氏の独裁体制のもと、この成長がどこまで続くのでしょう。

■ ■ ■ ■ ■

 ここまで各国リーダーの支持率を調べてみました。支持率の高低はあれども、それぞれの国が抱える問題などが見えてきましたね。

 国民の期待にまんべんなく応えるリーダーを選ぶのは、簡単なことではなさそうですが、自国含め各国のおかれた状況を知るためにも支持率は日々チェックするようにしましょう。

<取材・文/佐々木一>

都内の大学に通う大学4年生。イベント企画サークルに所属。95年生まれ、最後のゆとり世代。ライター志望で就活中

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