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中央線で大規模なダイヤ改正…終電はどうなる?

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青梅線の終電はどうなる?

中央線

※画像はイメージです

 気になるのは、利用者の多い青梅行き最終電車の動向だ。立川駅と奥多摩駅を結ぶJR青梅線は中央線の支線とも呼べる存在で、立川から青梅までの区間は住宅地として発展している。

 この沿線に暮らす人々は、もっぱら中央線との直通電車に通勤の足を頼っており、当然、最終電車の需要も高い。

 現行ダイヤでの青梅行き最終電車は、23時37分に東京駅を発車し、御茶ノ水駅から三鷹駅まで各駅停車の線路を走る。23時58分に新宿駅の16番線を発車、途中の国分寺駅では後続の中央特快(東京駅0時00分発)と接続し、1時14分に終点の青梅駅に到着する。

 各駅停車としてすべての駅で乗客を拾いつつ、後続の特快と接続することで東京駅・新宿駅からの速達性も補うという、「終電」として非常に良くできたダイヤである。実は筆者も、この電車にはよくお世話になっている。

 しかし青梅行き終電も、例にもれず快速に変更されることとなった。東京発が23時50分発に繰り下げられているものの、立川~青梅間の時刻は変わらず、国分寺駅で後続の中央特快と接続する点も踏襲されている。

“中央線の歴史”に残る大変革かも

自動改札

 早朝深夜帯しか走っていない「オレンジの各駅停車」は、イレギュラーに映るいっぽう、中央線開業以来の流れをくむ由緒ある電車でもある。これが姿を消すというのは、中央線の歴史にとって大きな出来事といって間違いないはずだ。

 今回のダイヤ改正はおそらく、ホームドア設置や快速電車の12連化など“乗客に優しいサービス”を目指すうえで不可避な改革なのだろう。とはいえ通勤者の“命綱”である最終電車にかぎっては、より多くの駅から利用できる形が望ましいはずだが……。

<TEXT/ジャンヤー宇都>

「平成時代の子ども文化」全般を愛するフリーライター。単著に『多摩あるある』と『オタサーの姫 〜オタク過密時代の植生学〜』(ともにTOブックス)ほか雑誌・MOOKなどに執筆

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