中央線で大規模なダイヤ改正…終電はどうなる?
ダイヤ改正で便利になる経路は
わかりやすいだけでなく、このダイヤ改正で便利になる経路もある。1番喜んでいるのはやはり、御茶ノ水駅より東の総武線沿線に住み、市ケ谷や新宿のオフィスに通っている通勤客だろう。
総武線の両国駅を例にとってみると、改正前のダイヤでは、早朝深夜帯に新宿駅まで行き来する場合、御茶ノ水駅で一旦乗り換える必要があった。今度の改正ではこの断絶が解消されるため、新宿歌舞伎町で遅くまで飲んだ城東エリアや千葉県の住民も、スムーズに帰宅できるようになる。
また、早朝に快速運転が行われるのも概ねメリットだと言えるだろう。立川駅を例にすると、現行ダイヤでは5時25分発の快速東京行きより前に上り電車が6本あるが、すべて鈍足の各駅停車だった。
次の改正ではこれらが快速になることが見込まれており、つまりは東京駅までの所要時間が10~15分程度短縮される。6時00分に東京駅を発車する新幹線「のぞみ1号」に乗るのが、いくらかラクになるはずだ。
同様に、深夜帯の電車もスピードアップする。都心側の快速停車駅から乗車し、郊外側の快速停車駅で降りる場合、その時短効果を享受することができる。
中央線ダイヤ改正で困る人
しかし中央線の快速は、需要の大きな駅を通過することがある(ホーム自体が存在しないから停車できない)。その代表といえるのが、オフィス街を構え、なおかつ地下鉄4路線の結節点にもなっている飯田橋駅だ。
これまでは深夜帯に高尾行きや八王子行きといった足の長い各駅停車が走っていたため、飯田橋などの快速通過駅からでも、多摩地区のベッドタウンに悠々帰宅することができた。
しかし3月のダイヤ改正後は、各駅停車は三鷹駅より西側には乗り入れない。したがって、四ツ谷・新宿・中野のいずれかの駅で快速に乗り換える必要が生じる。しかも中央線の駅は不便な構造をしていて、快速と各駅停車の乗り換えには必ず階段を上り下りしなくてはならない。
通過運転によるスピードアップも、乗り換えのタイムロスでほぼ完全に相殺されてしまうだろう。都心側の快速通過駅を利用している多摩の中央線ユーザーにとっては、純粋にマイナスとなる。