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会社の研修費20万円が自腹。入社2週間で気づいたブラック研修制度

学び

研修費用のため消費者金融でお金を…

「入社して1週目に研修システムの話を聞いて、すぐに飛んで(退職して)しまった同期もいたようなんです。僕は両親になんとか借りることができましたけど、人によっては肉親を頼れない場合もあることを考えると、『せめて事前に告知しておくべきだ』と、憤りを感じました。

 だって、この経費振り込みの制度について聞いたのは、入社式が終わった後ですよ。若者がそんな簡単に用意できる金額じゃないし、一番悪い話だと、消費者金融でお金を借りた同期もいたようでした」

 採用をする企業としては不親切すぎる対応に怒りを感じた川谷さん。会社への不信感から結局退職してしまったと言います。

ブラック企業ならではの悲しき事情も

ブラック企業

「今思えば、研修のための資金繰りが難しかったという、ベンチャー企業ならではの理由だったのかもしれません。それでも、入社前に告知して然(しか)るべきだったとは思います。そして結局、すぐにスクールの試験には受かったのに、経費が振り込まれたのは入社してから4か月後の8月でした。

 本当にあり得ないなと思います。社風も肌に合わなかったので、(技術など)盗めるものだけ盗んで、12月に初ボーナスをもらってすぐに退社しました。今はゆっくりしながら、次の職場を探しています」

 交通費や打ち合わせでの飲食代など、ちょっとした諸経費が後払いだという会社はありますが、入ったばかりの新入社員に実費で研修費を建て替えさせる会社は珍しいでしょう。多額の投資をして獲得した新入社員、このような研修で信頼を失わせてしまうのは、会社としても損害が大きいのではないでしょうか。

特集・令和の「ブラック企業」事件簿

<取材・文/ミクニシオリ>

1992年生まれ・フリーライター。広告業界で絵に書いたような体育会系営業を経験後、2017年からライター・編集として独立。週刊誌やWEBメディアに恋愛考察記事を中心に寄稿。Twitterでは恋愛・人生相談にも回答しています
Twitter:@oohrin

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