「ユニクロ」のファーストリテイリングは、やっぱりブラック企業なのか?
長年推進する「有明プロジェクト」とは?
この厳しい要求の現れのひとつとして、ファーストリテイリング社が長年推進している社内改革プロジェクト「有明プロジェクト」があります。このプロジェクトは2014年10月に有明に大型物流倉庫を建設する旨を発表したことを皮切りに、物流改善のみならず、IT化・社内体制の改革を通して「新しい小売業=情報製造小売業になる」ことを目指すものです。
物流倉庫の建設にあたっては、有明プロジェクトの統括担当である執行役員が「Business Insider Japan」のインタビューで「ユニクロの物流は2015年に非常に危機に立たされ大混乱に陥っていた」と語っていましたが、2018年には自動倉庫メーカーであるダイフク社との提携により、有明倉庫の省力化も実現しています。
オフィスも物流拠点である有明への移転が進められ、有明本部では各部署がワンフロアに集約されており、物流改革のみならず、組織改革も進められていると推察されます。壮大極まりない計画である「有明プロジェクト」ですが、着実に実行に移されているようです。
3)社風:本社と店舗勤務で異なる特徴
まず、各種口コミサイトを確認していきます。ただし、各種口コミサイトは転職支援事業をビジネスにしており、各企業がクライアントにもなっている関係上、著しい悪評は公開されないようになっています。その制約を踏まえて、特徴を整理していきます。
<良い点 本社勤務>
・海外で活躍できるチャンスがある
・産休などは取りやすい
<良い点 店舗勤務>
・自身の動きが売上・利益に反映されやすい
・システムの改良が行われており、効率化が進んでいる
<気になる点 本社勤務>
・組織階層が多く、承認作業に時間が取られやすい
・トップダウン式の決定が多い
・会社の成長に個人が追いつかないとツラい
・有明勤務が不便であると感じることがある
<気になる点 店舗勤務>
・労働時間が長い傾向がある
・店舗によって人間関係に悩むことがある
つまり、本社と店舗勤務によって「つらさの質」は違うにせよ、厳しめの労働環境であることが推察されます。ただし、国内での店舗環境については各種の記事で繰り返し書かれているので、これ以上繰り返す必要はないでしょう。