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将来不安は消えるか?「積立投資」の賢いやり方をプロに聞く

コラム

iDeCoの利用で30年後に差がつく

貯金 資産

頼藤:選べる運用商品は、金融庁が厳選した投資信託・ETFのみ投資対象としており、これも投資初心者にとってひとつのメリットと言えるでしょう。

――iDeCoを利用した場合と、しない場合でどれくらい差が生まれるのでしょうか?

頼藤:毎月2万円を30年間、利回り3%で積立投資ができた場合、iDeCoを利用した場合の最終的な資産額は1309万円、優遇制度を利用しなかった場合では1051万円となり、約250万円の差額が生まれます。

「iDeCo」「つみたてNISA」どっちがいい?

――たとえば僕(大学生、22歳、年収100万円以下)が今から始めるならiDeCoとつみたてNISAどっちがいいんでしょう?

頼藤:ズバリつみたてNISAですね。

――先程のお話を聞いた限りだと、税制優遇の大きいiDeCoのほうが良いように感じますが……。

頼藤:確かにiDeCoはつみたてNISAよりも税制優遇が大きいですが、iDeCoは老後資金を作るのが目的の制度なので60歳まで資産の引き出しができないんです。つみたてNISAならいつでも引き出せますから、老後資金だけでなく住宅資金、教育資金、余暇資金など、必要な時に積み立てた資産を引き出して使うことができるんです。

 そもそも年収100万円以下の場合は所得税も住民税も発生しませんから、所得のない主婦や学生はiDeCoの掛金全額所得控除の恩恵を受けることはできません。それに毎月の掛金が1万円未満ならつみたてNISAがおすすめですね。

――なぜ1万円未満だとつみたてNISAがいいのでしょうか?

頼藤:1万円未満でもiDeCoの所得控除のメリットは十分受けられるので、始める意味はありますが、つみたてNISAと違って、掛金から口座開設手数料と毎月の口座管理手数料が引かれます。

 掛金が小さければ小さいほど、口座管理手数料で持っていかれる割合が大きくなってしまう訳です。そうなると「資産を増やす」という観点では、手数料がかからないつみたてNISAの方が良いわけです。iDeCoをやるなら、ある程度掛金が大きい方がいいですね。

 つみたてNISAの投資対象は金融庁が定めた手数料や実績などの基準を満たした商品に限定されています。低コストで長期分散積立投資に適した商品のラインナップとなっています。

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