営業先でやんわり自分の意見を伝える「2種類の問いかけ方」
相手が話してくれないときは「問いかけ」で
一方で、相手があまり話してくれない原因が「何を話してよいかわからない」場合には、雰囲気作りだけでは解決できません。そのような場合はこちらから積極的に問いかけましょう。
そこで「何を問いかけてよいかわからない」という人もいるかもしれませんが、あなたが相手からもっと聴きたい、もっと知りたいと思うことを相手に問いかければよいのです。その際、相手が答えやすいように問いかけの仕方を工夫するとなお良いでしょう。
問いかけの仕方は大まかに分けて2種類あり、そのうちの1つ目はYesかNoで答えられるクローズドクエスチョン、もうひとつはYesかNoでは答えられないオープンクエスチョンです。
ここで重要なのは、これらの2つをうまく使い分けることです。迷った場合は先に簡単に答えられるクローズドクエスチョンを先に投げかけ、続いて回答に応じてオープンクエスチョンを用いるのがよいでしょう。
2種類の問いかけを使い分け、会話を組み立てる
例えば営業先で商品開発部の担当者と話をする際、相手があまり話してくれないような場合は先にクローズドクエスチョンを使って「御社のウェブサイトを拝見したのですが、先月に新しい商品を発売されたのですね。充実した機能と洗練されたデザインのバランスが取れていて、ターゲット層からの反響も多いのではないですか」などと問いかけます。
すると、相手からは「そうなんです、おかげさまで」のように肯定的に返答されるか、もしくは逆に「残念ながら、それが思ったほどではなくて…」のように否定的に返答されることが予想されます。どちらの場合であっても今度はオープンクエスチョンを使って問いかけを行います。
肯定的な反応に対しては「素晴らしいですね、どんな声が届いていらっしゃるのですか?」などと問いかけてみれば、喜んで話してもらえるでしょう。
一方、否定的な反応だった場合は「そうでしたか。私としても何かしらお力になれればと思いますが、具体的にどのような点に改善の余地がありそうでしょうか」などと問いかけることで、相手の「今の困った状況をなんとかしたい」という想いに訴えかけて話を引き出すことができるでしょう。
このようにクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分けることで相手の話を引き出すとともに、話を拡げたり、深堀りしたりできます。なお、ここで注意したいのは「一度に複数の問いかけをしないこと」と「問いかけだけで対応しないこと」の2つです。
これらの対応はいずれも相手に圧迫感を与え、尋問されているような気分にさせてしまい、話したいという気持ちを萎えさせてしまいますので、気を付けましょう。
<TEXT/相原秀哉>