速読のコツは「1ページ10秒」のリズム。最新テクを達人が直伝
③ 速読効率を上げ、脳が活性化する眼筋トレーニング
読み方の技術はもちろんだが、眼筋トレーニングも読書速度向上に効果的だ。特に目のストレッチは脳が活性化し、速読しやすい状態になる。まず両手の親指を立て、0.5秒間隔で親指を交互に見ることを30秒間行う。
次に人さし指に替え、片方は前に伸ばして遠くに、もう片方は近くにして、同じく0.5秒間隔で交互に30秒間見る。最後にどちらか片方の指先に焦点を合わせたまま、目の前で顔の大きさの円を10秒ほどかけて描く。ここまで、首を動かさないように注意。これを左回りと右回りで1セットとして2セット行う。コンタクトレンズをしている場合は、必ず外すこと。
「読書前にこれを習慣化することで、自然と脳も態勢も速読モードに切り替わります」(角田氏)
④「読む」ではなく幅広く、高速で「見る」にシフト
速読では、長年行ってきたなぞり読みから「幅広く見る」、「高速で見る」への意識の切り替えが必須だ。乱数表から指定の数字を探したり、仕事の書類の誤字脱字チェックもそのトレーニングに利用できる。新聞やインターネットでは段落単位で見る「ブロック読み」が有効。読むのではなく全体を眺めるように探すことを意識する。
1行あたり13文字前後が最適で、慣れたら本の一行を3~4のブロックに分けて見ていくと、長文にも対応できる。
なお「高速で見る」ことはインターネットで鍛えることが可能。
「ブラウザ拡張機能を使い、高速でページスクロールさせ、書いてあることを何となく眺めるだけでも有効です」(角田氏)
⑤ 話を聞くように相槌を打ちながら読むと加速する
速読では「人の話を聞くかのように読む」ことが究極のコツとも言われる。読書が遅い人は、いちいち内容を批評しながら読んでいる傾向がある。批判的に読むことは重要だが、内容をまず理解すること。人の話を聞くとき、相手の話の腰を折ったり、揚げ足を取り続けるといつまでも本題に入らないまま長引いてしまうが、読書でも同じ。それよりも、いったん最後まで話を聞くことが大事。
そこで、本の内容を頭からジャッジせず、賛同はしていなくとも心の中で「そうか」「なるほど」と相槌を打ちながら読むと、「わかろうとしない」姿勢が保たれ、集中力も途切れなくなる。速読の効率がグンと上がるため、ダマされたと思って加えてみるといいだろう。
― 速読で人生を倍速にする ―