コミケ参加者に“京アニ”への想いを聞いた。「切り離して考えたい」の声も
今年もコミックマーケットC96(以下コミケ)が8月9日から12日、東京・国際展示場で開催された。今回は、「2会場分散開催」「4日間開催」「リストバンド型参加証」(コミックマーケット準備会Twitterより)など、初めてづくし。令和初のコミケはその歴史上、大きな転換点となりそうだ。
bizSPA!取材班は4日目に参戦、参加者にインタビューを行った。今回は、京都アニメーションの放火事件直後の開催となる。参加者が抱く、京アニへの想いも併せて聞いた。
南展示場開催で空調が改善。“涼しいコミケ”に
今回とりわけ目立った変化は、東展示場の改装工事にともない、新たに南展示場・青海展示場で開催されるようになったこと。南展示場は今年7月から利用がはじまったばかりだ。
参加者に話を聞いたところ「もともと西展示場なんかは涼しかったのですが、南展示場のほうがより快適な印象でした。移動が大変ですけど、空調が完備されていて、来場者にとてもやさしい設計だと思います」(男性・参戦歴2回)とのこと。
実際に南展示場内に入ってみると、満遍なく冷気が回っている。西展示場に比べると蒸した空気も解消されており、ホールの開放感も相まってか、サークルの展示に集中できる印象だ。
屋外スロープ、分散開催に疲労感も
空調が改善された一方で、南展示場に向かうためには屋外のスロープや大階段を使わなければならないというデメリットも。
西展示場で会った参加者は「西展示場と南展示場を行き来するのに時間がかかるので、今回のコミケは大変です。とりわけ、スロープには参りました。傾斜もきついですし。それに、東展示場のサークル配置に慣れているので、目当てのサークルを探すのも一苦労です」(男性・参戦歴5回)と疲れぎみ。
青海展示場での開催に関しては「企業ブースと一般ブースが分かれることで、来場者が分散する」(女性・参戦歴4回)など好意的な意見もみられる中、こんな声も。
「アナウンスでは『青海会場まで徒歩20分』といわれていたのですが、実際は25分近くかかりました。猛暑の中で荷物を抱えて移動するとなると、堪えますね。とはいえ、オリンピック都合によるものなので仕方ないかなとは思ってますが」(男性・参戦歴2回)
従来の有明会場から企業ブースが入る青海会場までは1.5km余り。会場までは「ゆりかもめ」やシャトルバスなどの交通手段もあるが、乗降場は常に混雑しており、そのまま徒歩で会場へ向かう人も多くみられた。