若槻千夏「教師の時間外労働」への発言で炎上。若手教師の嘆き
時間外に「子供が家出したから探して」
今回の若槻千夏の発言のように「子供が勤務時間外に起こした問題」への対応を求めてくる保護者もいるとか。
「家出した子供探しに駆り出された同僚もいます。終業時間の16時45分をとっくに過ぎた時間帯に職員室で残業をしていると、ある生徒の保護者から『子供が家出したから、探して欲しい』と電話があったそうです。
基本の対応としては警察にお任せして問題ない案件ですし、『学校外で起きたことを持ってくんなよ……』というのが我々の本音です。でも、その同僚は“引き受ける面倒臭さ”と“引き受けなかったときの面倒臭さ”を天秤にかけて、前者を選んだようです。
結局、日付が変わるまで生徒を探し回っていました。その保護者はモンスターペアレンツとして有名で、もし断っていたらあとで教育委員会に物申されたり、いろいろと面倒なことになりかねなかったので……」
本来、学校側の業務ではないことでも、現場の教員にとっては“マニュアル通りの対応”とはいかないのだ。
「土日なのにすみません」と言ってくれる親も
公立高等学校で働く木村唯さん(仮名・28歳)は、「教員の働き方に理解のある親もいる」と話す。
「共働き家庭が増えているので、どうしても土日に面談を入れたり、生徒の家に電話をかけなければいけないことがあるのですが、『土日なのにすみませんね』と言ってくれる保護者も多いですよ。両親が仕事を持っているからこそ、昨今の働き方改革の問題にも理解があるのかもしれませんね」
一方で、学校内の活動に介入してくる親には気を揉んでいるとか。
「バスケットボール部の顧問をやっているのですが、大きな大会ならともかく、練習試合にもかなりの数の保護者が見にきますね。私が高校生の頃には考えられなかった光景なので、疑問に思ってます。
それに、見に来るだけならいいのですが、『なんでうちの子、レギュラーから外したんですか?』とか『あのときあの子を交代させるべきでしたね』とか、試合の采配にまで口を出してくる保護者もいます。正直『うるせー!』って感じですが、やんわり受け流すしかないですね」
子供のことを学校にできるだけ任せたがる保護者がいれば、必要以上に干渉してくる保護者もいるようだ。どちらにせよ、保護者の都合に振り回される教員の負担は大きなものだろう。
<取材・文/鴨居理子>