eスポーツ「プロゲーマー」って稼げるの?実は厳しい収入事情
「お金を払う」ことへの意識が変わっている
――たしかに、YouTubeのゲーム実況配信を見ていると、スーパーチャット(YouTubeの投げ銭システム)で数千円単位のお金を支払う視聴者を頻繁に目にします。
但木:今の10代や20代の方々は、インターネットを通じて自分が好きなコンテンツや人にお金を払う、というのが自然な行為になってきているように感じます。
私はいま34歳で、インターネットは無料でさまざまなことができるという感覚がある世代です。しかし若者の間では、もはやそういう感覚はあまりないのかもしれませんね。
――ストリーマーとして稼げる人と稼げない人の違いはなんでしょうか?
但木:キングコングの西野(亮廣)さんも言っていましたが、今は「信頼が数値化される=お金になる」時代です。つまりお金が集まる人と集まらない人の違いは、信頼の有無です。
ゲームの世界でも「応援したい」とか、「楽しませてもらってありがとう」とか、そういう気持ちを投げ銭で表現するという文化が作り上げられ始めていて、それがストリーマーの収入につながっています。
個人でのマネタイズは可能性がある
――インターネットを通じて収入を得て、競技に集中できる環境を構築するというサイクルは、インターネットとの親和性が高いからという感じがします。
但木:スポーツ全般で考えると、eスポーツほど個人がマネタイズをしっかりできている種目って他にない気がします。たとえば陸上競技で日本1位の選手なら、知名度があるからスポンサーがついて競技だけでも食べていけます。でも、7位、8位の選手だとあまり知られていませんよね。
実際は日本で8番目にすごい人なわけですから、とんでもない天才だし、努力を積み重ねているわけです。にもかかわらず、競技だけでは食べていけないことが多い。そういう人たちも先ほど紹介したようなインターネットサービスを活動のなかにうまく組み込めば、応援してもらいながらマネタイズできるようになるんじゃないかな、と思います。