「ゴルフするの?」と聞いてくる上司のホンネは?上司語の表と裏
Q3.「キミのためを思って言うんだが」
上司の本音③「オレのためを思って言うんだが」
正義感が強いあなたが正論で上司に迫った時などに、上司がこの言葉を使って、あなたをなだめにかかることがある。この言葉の背景には、そんな議論を延々続けられたら、社内外のいろいろなところに影響が及び、「オレの責任問題に発展しかねない」という上司の危機感がある。
つまり、上司は「キミのためを思って」と言いつつ、実は自分の身を案じている。この言葉を聞いたら、あなたには大人の対応が求められる。「そうですよね。ありがとうございます」と言って引き下がるようにしよう。
大人とは、いろいろな人の立場から物事を考えることができる者のことだ。しかし、あまりにも大人の対応が当たり前になりすぎた環境では、あなたの吐く正論が新鮮に受け止められ、採用される可能性がないわけではない(10回に1回くらいの確率か)。だから、今後も一切、正論を吐いてはいけないということではない。
Q4.「キミ、ゴルフするの?」
上司の本音④「朝、車で迎えに来てくれるかな?」
近年、ゴルフ人口は減少している。上司は暗にあなたをゴルフに誘っているのだが、この言葉の裏には、単純に一緒にゴルフをまわる仲間が欲しいという理由以上のものが隠されている。実際にゴルフに行くと、上司から一緒にラウンドしている普段は会えないような社内の偉い人を紹介してもらえるだろう。
上司はこの言葉を吐いた時点で、あなたのことを、偉い人に会わせてもよい人物という程度には評価しているのだ。しかし、それ以上に、ゴルフは朝早くてツラいので、車で迎えに来てほしいという願望のほうが強い。ひょっとしたら、上司は、今は自分が運転手役をしていて、その後釜を捜しているのかもしれない。
大手企業の役員クラスになるとゴルフをしている人が多いが、ゴルフで忠勤を尽くすことは昭和サラリーマンの、出世術の基本だった。昭和カルチャーが根強い会社では、今でもその伝統が廃れていない。この言葉を吐いた上司とゴルフに行くようになれば、あなたは周囲から、上司が属する社内派閥にどっぷり浸かっていると見なされるだろう。
あなたが本当はゴルフをしているにもかかわらず、していないと答えれば、上司のあなたに対する評価カウンターはワンランク下がるだろう。イエスと答えるか、ノーと答えるか、サラリーマンとしての決断が求められる場面だ。今はまだこんな質問とは無縁だと思っている若手社員も、将来のことを考えて心に留めておこう。
<取材・文/櫻田進ノ介(@kojiro_1975)>