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上司が口にしたら要注意「これは雑談だが…」の真意<上司語のホンネ>

コラム

 日本人は思ったことをストレートに言わず回りくどく表現するが、サラリーマンが使用する表現のまわりくどさは、学生の比ではない。サラリーマンは組織の生き物。組織の論理はあらゆるところに張り巡らされている。

ビジネスマン

※画像はイメージです(以下同じ)

 サラリーマン上司が発する言葉を、額面通り受け止めてはいけないのは自明の理だ。それは、普通の言葉というより、あなたに何かを伝えようとするサインに近い。

 上司の一言に隠された真意を読み解けばサラリーマン人生は快適なものになり、読み間違えると地獄が待っている。

 好評連載の上司語シリーズ、第7弾。今回もサラリーマン研究所の五島一三氏に、「上司が使う言葉」(上司語)のホンネとタテマエを解説してもらった(以下、五島氏の解説をもとに構成)。

Q1「今は緊急事態だ!」

上司の本音①「いつものことだが、オレは大変なんだ」

 部下の前で、しょっちゅうこんな事を言う上司は、何でもかんでも「緊急事態」という言葉を使って、いろんなことを誤魔化している可能性が高い。

 本当の緊急事態であれば、わざわざ声を大にして宣言しなくても、周囲にそのことは伝わるはずだが……。例えば、部下が仕事上のちょっとした不満を漏らした時に、「今は緊急事態なんだ!」といって、その声を封殺したりする。

 実は本人の中では、上から仕事のことをとやかくいわれて、割と緊急事態のつもりではいるのだが、周囲がこの言葉を額面通り受け止めていたのでは、身が持たない。

 本当の緊急事態であれば、部下は火事場のバカ力を発揮しなければならない。普段は100%が最大限なのに、そんな時には、120%の力で事態に立ち向かわなければならない。

 しょっちゅう緊急事態を宣言している上司の言葉を素直に受け止めて、火事場のバカ力を発揮していたら、確実に心身を病んでしまうだろう。こんな上司の「緊急事態」には真面目に取り合う必要はない。ただ、しゅくしゅくと仕事をこなしていれば、それでよい。

Q2「これは雑談なんだが…」

上司の本音②「耳の穴をかっぽじって聞けよ」

会話

 上司と2人きりの時に、上司がこの言葉を吐いたら、あなたは耳の穴をかっぽじって聞かなければならない。これから上司が語ろうとしているのは、人事や、社内のある人物の不正が疑われている噂など、極めて重要な事柄なのだが、まだ社内でオーソライズされていない、非公式情報である可能性が高い。

 こんな情報を事前にあなたに知らせようとする上司は、あなたを相当に信頼している。

 上司は、事前にあなたに情報を知らせることで、いざ事が動いた時には心構えをもって、(もちろん上司の立場を考えて)行動して欲しいと思っている。

 言うまでもないが、ここで聴いた情報は絶対に口外してはいけない。本当の雑談をするときに、人はわざわざ「これから雑談するぞ」などと宣言したりはしない。

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