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「ポケモン号」も登場した東京モノレール。ファンに愛されるワケは

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デビュー30周年。新時代を築いた1000形

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第15編成は、デビュー時のカラーリングがよみがえった

『ポケモンモノレール』に起用された1000形は、バブル景気真っ只中の1989年6月に登場し、7月25日にデビュー。東京モノレールでは画期的な車両で、初めて6両固定編成化された。中間に運転台つき車両がなく、定員の増加を図ったのだ。まさに“新時代の礎”といえよう。

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今や全国的に右手操作のワンハンドルマスコンが珍しい存在となった

 前面デザインは、地下鉄電車ではスタンダードの左右非対称にすることで、運転席からの視界を広くとった。運転台も力行とブレーキを一体化したワンハンドルマスコンに。1000形、2000形は右側に配置されていたが、10000形は左側に変更されている。

 座席はボックス主体のオールクロスシートで、側窓も某社の“なんとかビュー”と称したくなるほど大きくなり、眺望もよい。当初はオール固定窓、カーテンなしという思い切った設計だった。また、台車の関係で、床が高い箇所には荷物置き場が設置され、スーツケース、キャリーバッグなどが容易に置けるようにした。

2000形も“お色直し”中

 1000形は16編成96両が導入され、東京モノレールの顔(エース)に君臨。その後、登場する2000形、10000形は、混雑緩和を目的にセミクロスシートへ変わっており、1000形は“ゆとり重視”のモノレール車両と言えるのではないだろうか。

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1000形最初の廃車は、開業時(クリーム、水色、青)のリバイバルカラーだった

 なお、1000形は10000形の登場により、2014年11月から一部編成に廃車が発生した。

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東京モノレールとしての「昭和」を印象づけた赤、白、灰のリバイバルカラーは現在も活躍中

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白を基調に、緑と青をアクセントとした新塗装は、明るくさわやか

 現在、2編成がリバイバルカラーとして、昭和と平成初期にリターンズ。また、2000形ともども、“お色直し”が進められている。

【取材協力:東京モノレール】

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<取材・文・撮影/岸田法眼>

レイルウェイ・ライター。「Yahoo! セカンドライフ」の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、ムック『鉄道のテクノロジー』(三栄書房)『鉄道ファン』(交友社)や、ウェブサイト「WEBRONZA」(朝日新聞社)などに執筆。また、好角家の側面を持つ。著書に『波瀾万丈の車両』『東武鉄道大追跡』(アルファベータブックス刊)がある

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