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上司の「何かあったら言ってくれ」は地雷。難解な“上司語”4つ

コラム

Q.3「何かあったら言ってくれ」

上司の本音③「この話は、これ以上するな」

 何かの事案についての話し合いを切り上げる時に、上司がこの言葉を吐くことがある。

 本当は「これでケリがついた」と言いたいのに、わざわざこんな言い方をするのは、いつでも部下の相談に乗る懐が深い上司像をアピールしたいからに過ぎない。この言葉を真に受けて、後日、同じ話題を蒸し返せば、上司の機嫌を損ねることは間違いない。

Q.4「(他の部署の若手社員を評して)A君は惜しいねぇ」

上司の本音④「いいたかないが、Aの上司は無能だ」

上司 部下

 他の部署のA君に、たとえば、頭がいいのに極端に短気だとか、誰の目からみても明白な欠陥がないにもかかわらず、上司がこのセリフを吐いたら、上司はA君ではなくA君の部署に問題があり、はっきり言えばA君の上司(おそらく上司と同年代)に問題ありと感じていることになる。

 要するに、上司はこんな言い回しをすることで、A君の上司をディスっているのだ。サラリーマンの世界には、当然のごとく同期の間での足の引っ張り合いがあるが、それを露骨に表に出せば、上から目をつけられ出世街道から外される恐れがある。

 そのため、このように直接的には、誰も非難していないようにみせかけて、実は競争相手にマイナスイメージを植え付けるのが、サラリーマン道の処世術だ。仮にA君があなたの友だちでも、ウチの上司がこんなことを言っていたなどと伝えるべきではない。変な争いに巻き込まれる可能性がある。上司が本当にA君を買っていたら、上司が自分で動いてA君を自分の部署に引っ張ってくるはずだ。

<取材・文/櫻田進ノ介>

サラリーマン研究所 所長、大企業の企業カルチャーに精通。大阪生まれ、東京大学工学部卒、同大学工学系大学院修士課程修了、大手ビジネス系出版社の編集委員を経て、フリーに

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