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実際の電車を運転してみた。相模鉄道、外国人向け体験イベント

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先生と学生からは意外と高評価

 NPO法人Connection of the Childrenの加藤代表理事によると「先生からの評価としては、非常に満足度が高く、ホントはもう少しやっていたかった」と言う。

“日本の文化を知る”というところでは、“鉄道もひとつの文化”であるので、これだけ正確な鉄道のシステムを体感することができたこと、かつ、電車の運転ができたというのは、“人生でも1度あるかないか”なので、ホントは全員に運転させたいぐらい、すごく貴重な経験だったと。さらに「東京からバスで来てもそれだけの価値はある」と日本の鉄道を高く評価。

 学生からは、電車の運転はたった200メートルと事前に聞いていたが、ホントに運転ができるとは思っていなかった。もっとコントロールされて、ガシャンガシャンとやるだけかと思っていたら、マスコンから手を離されて、自分で運転できたのは、嬉しかったという。

 また、乗降用ドアの開閉で1ミリでもはさまっていると、異常を感知する正確性、車内アナウンスができた嬉しさ、QUEENの曲が歌え、まさか自分の歌声が車内に響くとは思わなかったと。学生も「ホントはもう少しやっていたかった」と本音を漏らした。

「厚木線」と「厚木操車場」の役割

相鉄

厚木線を走行する回送列車

 そもそも厚木線は、本線の相模国分信号所を分岐し、厚木操車場を結ぶ路線。基本的に回送列車が行き来する。ここは車両の留置線という役割が与えられており、ホームは設けられていない。

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厚木操車場の隣を走る、JR東日本相模線用の205系500番代

 このほか、隣のJR東日本相模線とは線路がつながっており、甲種輸送を中心に使われている。取材日の数日前には、12000系第3編成が搬入されており、都心直通への準備が着々と進む。

11月30日には相互直通運転がスタート

 2019年11月30日に相鉄新横浜線とJR東日本の相互直通運転開始前に、「インバウンド向け試乗会を行なうか?」を相模鉄道駅務サービス課の和田潤一郎課長に聞くと「いろいろと検討しているんですけど、相手社(JR東日本)さんはハードルが高く、“仕掛けていこう”とは思うんですけど、どうなるかはわからない」との回答。

 相鉄新横浜線一部区間の開業および、JR東日本との相互直通運転まで、あと少し。次回以降のインバウンドツアーで「YOKOHAMA NAVYBLUE」の電車の乗車をプログラムに入れたら、きっと驚くような表情を浮かべるだろう。

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YOKOHAMA NAVYBLUEの20000系と12000系

【取材協力:相模鉄道、相鉄ビジネスサービス、相鉄ビルマネジメント、コネクション・オブ・ザ・チルドレン、横浜観光コンベンション・ビューロ、横浜西口エリアマネジメント(順不同)】

<取材・文・撮影/岸田法眼>

レイルウェイ・ライター。「Yahoo! セカンドライフ」の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、ムック『鉄道のテクノロジー』(三栄書房)『鉄道ファン』(交友社)や、ウェブサイト「WEBRONZA」(朝日新聞社)などに執筆。また、好角家の側面を持つ。著書に『波瀾万丈の車両』『東武鉄道大追跡』(アルファベータブックス刊)がある

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