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ベンチャー企業「社員第1号」の本音。入社はアリ?親の反応、給料は?

ビジネス

スタートアップ企業の職場環境は少し孤独

――ベンチャーのIT企業というと「ブラック企業」とイメージする人が多いと思うのですが、リアルな職場環境を教えてください。

岡野:少なくともうちはブラック企業ではないと思いますね。年俸制なのでボーナスはありませんが、だいたいエンジニアの初任給の平均年収くらいで、一般企業に入った友達と比べても大きな差はありません。

 就業時間は、午前10時~午後7時。たまに1時間ほど残業しますが、基本的にはいつでも席を外して良いですし、ほかの企業の正社員と働き方はあまり変わらないと思います。

――正直、職場環境に不満とかないのですか?

岡野:不満というわけではないですが、ちょっと孤独感はありますね。スタートアップ企業にはよくあると思うのですが、オフィスは複数の会社と共同で使っていて、社長は外出していることが多いです。なので、もう1人の大学生のインターン生が出社しない日は僕がオフィスで一人になります。

 また、一般的な企業のように、同期や先輩が近くにいてくれる環境は正直ちょっとうらやましいですね。一人が苦手なタイプではありませんが、ランチタイムに松屋でAmazonプライムビデオを見ながら食べると、少し寂しいときもあります(笑)。

普通は教育を受ける時期に教育をする立場に

就活

まだ名刺の渡し方もちょっと自信ない、という岡野さん

――ベンチャー企業は教育体制の整備に課題が多いといわれています。

岡野:確かにそれは当てはまるかもしれません。メンターとか教育係はもちろんいませんし、社長は外出していることが多いので、聞きたいことがすぐ質問できる環境ではないですね。正直に言うと、まだ名刺の渡し方もちょっと自信ないくらいなので、ビジネスマナーに関しては同世代よりも身についていないのかなぁと思っています。

 ただ、エンジニアの業務になるとちょっと話が変わります。というのも、学生時代から3年間インターンを通して身につけた技術力があるので、エラーが発生しても自分一人でたいていの問題はクリアできます。

 エンジニアと今の職場環境の相性の良さは感じますね。とはいえ、やっぱり人に教えてもらったほうが解決スピードは早いので、煮詰まったときは社長にチャットを飛ばしてしまいますが(笑)。

――エンジニア以外にもプログラミングの講師もされているとか。

岡野:会社でプログラミング教育事業をしているのですが、忙しくなった講師の代わりに社長から講師に抜擢され、今でも1週間に1度、数人の生徒さんに基礎的なプログラミングを教えています。急に仕事を振られるのは、人手が足りないベンチャーならではかもしれません。

「エンジニアなのに講師なんてやりたくない!」という人にはちょっとツラいかもしれませんが、個人的には大企業や一般企業に入った人たちが教育を受けている間に、教える立場になれることはメリットだと思います。

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