タピオカブームに参入し、月300万円をボロ儲けした男。驚きの原価は?
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タピオカブーム絶頂期に参入、月収200万円超え
中国広東省在住で、さまざまなビジネスを手がけている田上健一氏(仮名・45歳)は、近年若い女性を虜にしている「黒い玉」にビジネスチャンスを見いだした。
「1年ほど前、日本に一時帰国した時、タピオカドリンクの『貢茶(ゴンチャ)』に若い女性が長蛇の列をつくっているのを目にしたんです。
驚いたのがその値段。中国では一杯150円くらいで売られているのに、3倍もする。中国に帰って調べてみると、タピオカがめちゃくちゃ安く手に入ることがわかって、もうやるしかないと思って始めました」
中国の通販サイトで販売されている業務用の黒タピオカは、1.5kg×12袋で約5000円弱。これでタピオカドリンク900杯分になるのだ。
その後、開業からわずか8か月で首都圏に3軒のタピオカドリンク店を構えている。
「といっても、どれも5~7坪くらい。前はタバコ屋やスマホショップに使われていたような物件です。持ち帰り専門だし、調理と言えば湯を沸かすくらいなので、大がかりなキッチンや排煙設備も必要ない。立地さえよければいいんです。
初期投資といえば、3店舗の賃貸契約に保証金や手数料で合わせて500万円ちょっとかかったのと、店舗の内装や看板で200万円くらい。すでに黒字転換しています」
タピオカ大盛り無料のほうが儲かる仕組み
勝因は圧倒的なコストの安さだ。
「400円で販売している最もスタンダードなタピオカミルクティーのMサイズで計算すると、原価は約10%。内訳は、ミルクが約30円、タピオカが5.5円、紅茶の茶葉が2円といった感じです。
原価率25%と言われているスタバのキャラメルフラペチーノよりもだいぶ利幅がある計算になりますが、他店だとただのミルクティーが400円くらいしてタピオカは別料金で、70円くらい取られるので、良心的なほうですよ。しかもウチはタピオカ大盛り無料。これ、実はタピオカが入るぶん、高価なミルクが少なくて済むので原価は安くなる。
一番成功している都内の店舗だと、月に6000杯は売れるので、単純計算で粗利が約216万円。店舗の家賃が21万円で、常時2人のバイトの給与が80万円。光熱費を除いても100万円は手元に残る。3店舗合計の月間純利益は、300万円弱といったところです」
たとえ後発でも、ブームが大きければ億万長者になれる勝算はある好例と言えそうだ。