特殊法人で働く30歳の“贅沢すぎる”嘆き「仕事がなさすぎるのもツライ」
連日の深夜残業や休日出勤などの超過勤務は、サラリーマンなら誰もが避けたいところ。できれば仕事量の少ない会社や部署で働きたいと願う人も多いのではないでしょうか?
しかし、仕事がなさすぎるというのも問題のようです。某特殊法人で職員として働いていた小暮将宗さん(仮名・30歳)に話を聞きました。
午前中だけで作業が終わってしまう
「やることが何もないと時間が過ぎるのが遅く感じると言いますけど、あれって本当ですね。最初は超ラクな職場でよかったと喜んでいましたが、それも最初のうちだけで、気がつくと『今日はどうやって時間を潰そうか』と、毎日そればかり考えていました(苦笑)」
たいして仕事がなかったと小暮さんは、当時のことをそう振り返ります。では、実際にどれだけヒマだったのでしょうか?
「仕事は8時45分からで、まずメールチェックを行い、その返事を書きます。あとは管理している施設の備品の補充手配が私の担当でしたが、施設側から送られてきたデータを確認して、こちらで入力するだけ。ただ、備品の補充なんてたかが知れている量ですし、毎日データが送られてくるわけではありません。
ほかにもその特殊法人の活動と関係のある新聞記事がないかを調べ、ファイルにスクラップするなどの細々とした作業もありましたが、それを含めてもお昼前には1日の作業がすべて終わっていました」
たまにイレギュラーの仕事が舞い込む場合もありましたが、それもせいぜい数日~1週間程度。しかも、その時期も「残業をすることは一切なかった」と言います。
上司もクロスワードで時間潰していた
「上司は天下りの公務員の方で、職場に顔を出すのは週1~2日だけ。けど、来たところでやることはないため、クロスワードや数独などを解いて時間を潰していました。
そんな調子ですからこっちがやることがなくて、スマホを眺めていても注意されることはなかったです。同じ部署には当時30代の女性職員もいましたが、彼女も上司がいる前で堂々とネット通販やオークションのサイトをチェックしていましたから」
もともと小暮さん自身、仕事よりもプライベートを優先させたいという考えで、この特殊法人の職員募集に応募。残業もほぼ皆無だったそうで、彼にとっては理想的な職場のように思えますが、予想以上のヒマっぷりで「逆に不安を感じるようになった」とか。
「働き始めた時期は、民主党政権が事業仕分けで独立行政法人改革を行った少し後のことでした。だから、自分たちみたいなヒマな職員がいる特殊法人は、そのうち人員削減の対象になると思っていました」