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ソニー、資生堂…20年後も生き延びる「新エリート企業」9選

ビジネス

日本では既得権を握る大企業は変わらない

 また、欧米の研究機関で博士号を取得、外資系投資銀行勤務というエリート経歴の藤沢数希氏は「時代が変わっても、日本では既得権を握る大企業は変わらない」と指摘する。

東京電力はエネルギーの寡占企業で、JR東海も東海道新幹線で殿様商売をやり続けます。僕は悲観的で何も信じてないので、一般人が信じているAIとか電気自動車とかの新技術は全部コケることに賭けたいですね」

 最後に、ブラック企業アナリストの新田龍氏に「これから注目の成長産業」について聞いた。

「『水不足』は世界的な問題。東南アジアなどは高い成長を遂げている一方、急速な都市化や人口増に上下水道のインフラ整備が追いついておらず、水不足、水質悪化、洪水リスクなどを抱えています」

 世界にある水のうち、利用しやすい淡水は0.01%ほどしかないと言われている。そこで、海水を淡水化する技術が現在主流となっているが、この分野は日本企業がしのぎを削っている状況だ。

「あとは海洋研究と宇宙開発。どちらもまだ貴重な資源が埋まっている状態なので、今後、大きな転換があるかもしれません」(新田氏)

 およそ20年前の1998年、3円相当だったヤフーの株価は現在270円以上となり、今では誰もが使う日本最大級ポータルサイトへと成長した。20年後、日本の一流企業にのし上がり、覇権を取る会社がこのなかにあるかもしれない。

新時代を生き抜くエリート企業の特徴

1)「本業×テック」など時代の潮流に乗る企業
2)いつの時代も既得権を握る独占・寡占企業
3)水不足問題や深海、海洋などの水ビジネス企業

20年後でも「一流な企業」9選

大企業

1位:DMM.com/エロだけでなく、スマホ、エンタメ、金融、エネルギー事業など次々と新ビジネスを多角的に展開していくスピード感は国内随一

2位:資生堂/社内組織「資生堂ベンチャーパートナーズ」を設立し、国内外のテック企業を次々と買収。攻めの姿勢でビューティ×テックを牽引中

3位:リンクアンドモチベーション/26歳で年収500万円、順調にいけば30歳で700万円ほど。人事をテクノロジーで進化させようと、社員のモチベーションが高い

4位:Netflix/会員数増、企業の成長性に陰りが見えてきたFacebookに対し、予算を増額し、グローバルなサブスクリプション増加で成長を目指す

5位:メルカリ/「経営層は現場を信じ、現場社員は常に自分で考え、決断するカルチャー」(29歳・男性)で、20年後にはメガベンチャーへと成長か

6位:ソニー/過去30年以上、就職人気企業にランクインする人気企業。家電、ゲーム、PC、エンタメ、スマホ、金融と常に時代の潮流に乗っている

7位:JR東海/東海道新幹線に加え、2027年にはリニア中央新幹線が開通し、2037年には新大阪まで延伸予定。「しばらくは殿様商売が続く」(藤沢氏)

8位:東京電力/あれほどの大事故を起こしながら、電力は東京電力に頼らなければいけないのが実態。20年後も電力の寡占企業として生き残るだろう

9位:栗田工業/身近な例では漏れない水道管をいかにつくるかも重要。海水の淡水化など、水ビジネスに関する高い技術を持つ企業は今後も有望株

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【大室正志】
産業医。産業医科大学卒業、ジョンソン・エンド・ジョンソン統括産業医などを経て医療法人社団同友会産業医室勤務。専門は産業医実務

【藤沢数希】
理論物理学研究者、外資系金融機関を経て作家。メルマガ「週刊金融日記」は読者数1万人、ツイッターのフォロワーは15万人超

【新田龍】
ブラック企業問題の専門家。企業の働き方改革推進による労働環境改善コンサルティングと、対ブラック企業のトラブル解決を手掛ける

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