「桃太郎のおばあさん」に学ぶ、仕事でやりたいことを見つける方法
ジョブズは「川下り型」キャリアの典型?
突然、スケールの大きい話をしますが、ぼくのすごく好きな言葉で、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズの「Connecting the dots(点と点を結び付ける)」と言うのがあります。大学時代、ジョブズは将来どう役立つのかわからず、とりあえず興味があるという理由で「カリグラフィー」を学んでいました。
当時は、伝統的で芸術的な文字の世界に惹かれただけですが、これが開発に大きな影響を及ぼした「マッキントッシュ」は、美しいタイポグラフィを内蔵した初めてのコンピューターとなったのです。
無理に目標とか決めず、当時は何の関連性も見えなかったカリグラフィの勉強(点)が実は1本の線でつながっていた、というジョブズの考えは、川下り型のキャリアの典型と言えるのではないでしょうか。
「桃太郎チャンス論」で考える
これもぼくが好きな話なのですが、人のキャリアにおいて、いつ、どこに「チャンス」があるのか。どうすればチャンスを掴めるのかについて、桃太郎で例えた面白い話があります。
ここでの主役は桃太郎ではなく、川で洗濯をしている「おばあさん」です。物語だと、おばあさんが、川で洗濯をしていたところ、考えられないくらい大きな桃が流れてきます。それをおばあさんは家に持ち帰りますが、ここがミソです。
普通、そんな大きな怪しい桃を引き上げて家に持って帰るでしょうか?(笑)
ここに、チャンスを掴むタイミングが隠されているというのが、桃太郎チャンス論なのです。おそらく、多くの人はそんな桃を持って帰りません。大きいし、川から流れてくるなんて不自然だし何より怖い。ひょっとしたら爆発するかもしれない。自分の中の常識と、物差しで「これはやばいやつだ」と決めてスルーする人が多いはずです。
チャンスは普段の生活の中にふと現れる
しかし、おばあさんは、その「やばいやつ」を果敢に拾って帰ったのです。その結果、子宝に恵まれなかった老夫婦が桃太郎という子供を授かって、その子供が鬼退治をして村の治安も取り戻すという最高の成功を納めます。
何が言いたいかというと、チャンスという生き物は、みなさんの普段の生活の中にふと現れるのです。おばあさんもきっと毎日、川に洗濯をしに行ってるだろうし、ふと桃が流れてきた事象に手を伸ばした結果だと思います。
とんでもない秘境に行かないとチャンスが手に入らないなんてことはないんです。いつもだったらスルーするような事象があれば、あえて手を出してみる。そのようなアクションがやりたいことを見つける一歩にになるのではないでしょうか?
<TEXT/森川剛>