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過酷な不動産業界を20代はどうサバイブすべきか?「#全宅ツイ」に聞く

ビジネス

 自称・不動産文化人のあくのふどうさん@yellowsheep)氏は不動産業界の採用構造を次のように分析します。

「躍進目覚ましいオープンハウスが採る義勇兵役法方式(※)が即席戦力を充実させる上で最適手法といえます。他にもサンフロンティア不動産のような野球少年育成方式(※)も次善策となるでしょう。

 ただしオープンの義勇兵はあくまで即席兵なので、最前線に出ても何も出来ず即死します。ですが後方で支援する人事の兵站(へいたん)が短いから次々に補充されます。

 つまり、不動産業においては育成云々より熟練した人事による補給のほうがよっぽど重要なのです。まあ、そんなめんどくさい事情、読者にはどうでもいいですよね」

※義勇兵役法方式……「最前線の戦力不足を補うためにあらゆる階層からほぼノーチェックで採用して「路上での声のかけ方」だけ伝えて最前線の駅前に送り込み戦果を上げる方法の事です」(Byあくの)

※野球少年育成方式……「休日に社員が集まってみんなで朝から野球するんですよ。月~金曜、ずっと一緒にいたのに。就職自体が合宿みたいな働き様です。青春ですよね。中には高校野球の監督になるという人も現れて、会社を退職する際にバットやグローブなどを渡し、みんなで送りだしたそうです。翌週、その監督は新橋の業者で普通に働いていたと聞いています」(Byあくの)

 あくの氏によると、育成がしっかりしている例外的な企業が財閥系とのことです。

「それ以外ではディールフローがある信託やレンダー周りといった、限りなく金融に近い不動産企業も育成が丁寧。なので、若者はそのあたりに勤めることをオススメします」

年収2000万円超を目指す「最強キャリアパス」とは

 では、“金融寄りの不動産業界”に詳しい新宿シュガーレス@Sugarless_kid)さんは、若手社員のキャリアパスについてどう考えるのでしょうか。

「もし自分が就活生なら、もちろん三菱地所を目指すけど、ムリなら福利厚生が手厚いヒューリックのような銀行系不動産会社か、基礎研修が手厚い野村アーバン東急リバブルに潜り込んで、20代はひたすら売買実務と物件情報開拓に励みます。

 30歳前後で大手不動産会社傘下の私募REITや私募ファンドにベース年収1000万円ぐらいで転職、生ぬるい環境で10年遊んでから、正体不明の外資ファンドにMD(マネージング・ディレクター)かシニマネとしてベース年収2500万円で入る。これが最新の不動産屋の育ち方です!」

 年収2500万円が狙えるとは、なんとも夢のある話です。そんな新宿シュガーレスさんのキャリアプランにおおむね同意するも、リカバリーを想定した別のパスを提示してくれたのが、匿名会員S氏です。

「正当なキャリアを歩める人は、ぜひシュガーレス先生のオススメする方法を選んでください。自分も過去に戻れるなら同じ選択をすると思います。しかし、何らかの理由でドロップアウトしてしまい、そういった企業に就職できなくなってしまった人は、(賃料収入以外で)稼げている人のところで働かせてもらい、“仕事のやり方”と“お金の稼ぎ方”を間近で見て盗むのがいいと思います。

 稼げている人はそれぞれ異なる勝ちパターンを持っており、何かしらの飛びぬけた能力があるはずです。そしてそれ相応の人脈も有しているはずです。そこで“仕事のやり方”と、“お金の稼ぎ方”を盗めれば、年収6000万円も夢ではありません

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