餃子の王将、不調から一転「過去最高の売上」となった起爆剤
餃子の王将イメージを一新して女性客を取り込む
かつての餃子の王将は、活気あふれる町の中の中華料理屋といったイメージで、お客様の8割を男性が占めていました。それは利点のひとつではありましたが、女性が入りづらく感じてしまうというデメリットがありました。
そのイメージを覆したのが「GYOZA OHSHO」という新業態で、現在は全国に6店舗あります。バルをイメージしたカフェスタイルのおしゃれな内装と、ゆったりとして落ち着いた接客が特徴です。
また、「サワークリームと溶かしバターで食べるスープ餃子」や、「野菜と豚肉のチーズせいろ蒸し」など、女性を意識したオリジナルメニューや、ワイン、カクテルなども取り揃えています。この新業態によって、新たな女性客を取り込むことに成功し、「餃子の王将」全体の売上アップにも貢献しているそうです。
番組では「GYOZA OHSHO 烏丸御池店」で働く入社1年目の新人の女性に密着。女性ならではのきめ細やかな視点で、隅々まで気を遣ったおもてなしの心構えが紹介されました。
修行を積み重ねた店長の試行錯誤
餃子の王将は店舗の裁量が大きく、独自のオリジナルのメニューやイベントも多く開かれています。たとえば、愛知県の江南店では、まるごと揚げたニンニクが多く入ったスタミナがつきそうな「ニンニクたっぷりラーメン」が楽しめます。
「GYOZA OHSHO 京都髙島屋店」では餡(あん)を増量し、和風の味付けをした「プレミアム餃子」や、九条ねぎを使った「九条ねぎ餃子」などが楽しむことができます。
さらに、池袋東口店や、西日暮里店、京成曳舟駅前店など、複数の店舗で、餃子・ドリンクが飲み放題になる女子会プランが開催されています。その他にも、宴会メニューなど、様々なプランが店舗ごとに用意されており、道場で修業した店長の努力が垣間見えます。
これからの働き方の参考になるとの声
「『スープは付加価値か、おまけか』っていう話、すごく考えさせられました」
「心をこめて料理を作る心掛けはとても大事、自分の仕事にも当てはまります」
ネットでは、社員教育に力を入れる餃子の王将の在り方に称賛の声が集まりました。
かつての餃子の王将の不調の原因は、「人件費削減のため営業時間を短縮した」ことに起因すると番組の中で説明されていました。
たとえ営業時間を短くしたとしても、顧客を満足させることができれば、売上をアップすることができるという事例といえるでしょう。働き方改革が叫ばれる昨今、餃子の王将に学ぶところは多いかもしれません。
<TEXT/湯浅肇>