先輩と親しくなる「距離の詰め方」がわからない…。職場の悩みにプロが回答
最初は「イジられる」から入って、返しを覚える
森川:基本的に後輩は「イジられる」から入っていくのが無難です。いきなり先輩をイジって怒らせたりしたら大変なので。しかし、イジってもらい自分が美味しくなるには一工夫が必要です。それは「返し」です。先ほどのイジり返しとは違い、イジりに対しての「返し」です。ツッコミと取ってもらっても良いです。
よくお笑いとかだと、ツッコミのほうが難しいと言われますが、それはプロの芸人がやる「ネタ」の場合に限ります。一般人レベルの会話であれば、「例えツッコミ」や「秀逸なワードでツッコミ」などは不要です。凝りすぎてかえってスベる可能性があるので(笑)。
何が大事かというと「スピード」です。これだけで笑いが取れて、何なら○○君、ツッコミうまいね~とか言ってもらえます。中身については、自分が言われたワードを復唱するだけで大丈夫です。
先輩「君は○○だな~」
自分「いや、誰が○○だ!」←ちょっと笑顔を意識して言うと良いです。
細かいですが、ツッコミを入れる前に「いや、」をつけると「ツッコミっぽさ」が出ます。前述しましたが、この場合はスピードが肝心です。1分後に言われても「おそっ」となります。慣れてきたら、例えばツッコミや少し凝ったワードで攻めるのもあります。スベった場合でも「スベり笑い」で処理もできます。
イジって先輩を美味しくさせてみよう
ここからが「イジり返し」です。「イジられる」「返しのツッコミ」を覚えて、キャラが少しずつ浸透してきたら、先輩をイジってみましょう。
前提として、明らかに怒りそうな人は避けてください。「イジり」には信頼関係が必要なのでできれば「返しのツッコミ」を披露した先輩にしましょう。その方ではあれば普段からあなたをいじるでしょうし、返しのツッコミも食らってるので免疫があると思います(笑)。
イジりに返してはこちら先行でやるのでたくさんの選択肢があると思うのですが、僕が実践してきてオススメなのが「先輩、バカヤロウ手法」です。具体的には、
先輩「キャバクラで10万使った挙句、財布落としたわ」
自分「いや、だいぶ先輩ですけど、バカヤロウ!(笑)」←これも笑いながら。
バラエティーの雛壇などでも見たことがあると思うのですが、「○○だけど、バカヤロウ」は結構使えます。○○にはだいたい「先輩」が入ることが多いです。
「だいぶ先輩だけど」という前置きがあって「バカヤロウ」と言う普段の仕事では絶対言わないであろうこの言葉はパワーワードです。
「バカヤロウ」だけではリスクなので「先輩だけど」をつけると良いです。「(笑)」をつけましたが「バカヤロウ」自体は笑いながら言うのがちょうど良いと思います。笑いは「緊張と緩和」と言われますが、怒った表情で「バカヤロウ」と言えば、当然空気が悪くなるので、笑顔で「バカヤロウ(笑)」がちょうどいいです。
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今回の「職場の先輩との付き合い方」については質問者の方に限らず、誰もが一度は考えることだと思います。先輩だけではなく、クライアントの人にも応用できると思います。
仕事に限らず、何をするにしても「他人と付き合っていく」必要があると思うので、ぜひ、自分にあったコミュニケーション法を編み出してほしいと思います。
<TEXT/森川剛>